育児と仕事の両立支援を行う「パワーママプロジェクト」は4月9日、「学童保育」に関するアンケート調査結果を発表した。子どもを学童に預けている、預けた経験がある、預ける予定の女性合わせて118人が回答している。現在既に学童保育に子どもを預けている人からは、「狭く芋洗い状態」「目が届かない」(公立学童)、「お金がかかりすぎる。貯金が尽きました」(民間学童)など、様々な不満が挙がっている。
公立は安いが、保育時間が短く仕事との両立が厳しい
学童保育とは、共働きやひとり親世帯の子どもに対し、放課後に適切な遊びや生活の場を与え、健全な育成を図るために行われるもの。自治体が運営する「公立学童」と、民間が運営する「民間学童」があり、両者で料金や保育時間などに差がある。
預け先・預け先候補として最も多かったのが「公立学童」(50.9%)だった。料金については59%が「安い」と答えるなど、費用の手頃さがメリットだが、反面、53%が「利用できる時間が短い」と答えている。預けられる時間が民間学童に比べて短いこともあり、「保育園より短く、仕事との両立が難しい」という不満も上がっていた。
公立学童では保育場所が小学校など公営施設内のため、大人数を預かれるが、それだけに一人ひとりの児童に目が行き届かないケースもある。
「あまりの人数の多さともみくちゃ具合、うるささに驚き、場所もせまくなり、DVDを見せられている時間が多くなった。本人は楽しんでいるが、夏休みの長い時間預ける事を考えると時間の有効活用になってないと思い、英語学童との併用に踏み切った」
という声もあった。
民間は預ける時間の融通が利く反面、費用が高くつく 補助金求める声も
一方で「民間学童」に預けている・預ける予定の人は18.8%。「公立学童と民間学童に預けている」は14.3%だった。民間学童では、活動内容や定員数、利用時間で大きな不満はないものの、
「月間5万円で複数兄弟がいると家計が厳しい」
「公立との差が大きいので補助金を」
など、8割以上が「料金の高さ」に不満を抱えていた。
民間学童は、公立学童と比べ保育時間の融通が利きやすい。しかし、高い費用は保護者にとっって重い負担になる。少子化対策や女性活躍の推進には、子育てしながら働きやすい環境の整備が急務だ。学童保育の利用しやすさを改善することも、環境整備のひとつとして取り組む必要があるだろう。