JRC全日本ラリー選手権は4月7~8日、第2戦『ツール・ド・九州in唐津』が開催され、奴田原文雄/佐藤忠宜(ミツビシ・ランサーエボリューションX)が今季初優勝を飾った。
ツール・ド・九州は、唐津市を舞台に行われるターマック(舗装路)ラリー。JN6~JN1クラスと、オープンクラス、クラシッククラスを合わせ全43台が参戦。14本のSSが設定され、SS距離は75.85km、総走行距離は369.86kmで争われた。
7日、ツール・ド・九州恒例となっている唐津神社での安全祈願を終えラリーがスタート。デイ1のSSは8本、42.51kmで争われる。雨が降ったり止んだりする不安定な天候に加え、山間部では雪が舞うなど、季節外れの寒さとなった。
SS1でトップに立ったのはターマックラリーを得意とする福永修/齊田美早子(ミツビシ・ランサーエボリューションX)。続くSS2でもベストタイムをマークした。しかし、午前中最後のSS3で痛恨のスピンを喫し、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)がトップに浮上した。
新井は午後も好調を維持。SS5~8を4連続ベストで駆け抜け、2番手奴田原対し20秒ものギャップを築き初日を終える。3番手には柳澤宏至/加勢直毅(スバルWRX STI)、4番手には開幕戦ウイナーの鎌田卓麻/市野諮(WRX STI)、5番手に福永と続く。
このラリーで12連覇を果たしている勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)は、SS3終了時点で2番手につけていたものの、午後のステージで波に乗れず初日を6番手で終える苦しい展開。ツール・ド・九州13連覇に黄色信号が灯った。
デイ2のSSは6本。前日とは打って変わって好天に恵まれた。そんななか首位の新井はSS10で「タイヤをオーバーヒートさせてしまいました」と苦戦。その後もタイムを伸ばすことができず、新井と奴田原の差は徐々に縮まっていく。そして、最終SSを前に奴田原は、新井との差を2.6秒まで詰めてみせた。
勝負の最終SS14、9.22kmのステージで奴田原は新井から13秒速いタイムをマークし逆転。見事優勝を飾った。
3位は柳澤、4位勝田、5位福永と続き、鎌田は最終SSでクラッシュし、リタイアを喫している。
そのほかのクラス、JN5クラスはエントリー5台中3台がリタイア、1台が失格となり、川名賢/保井隆宏(プジョー208 GTi)が勝利。JN4クラスは山口清司/山本麿美(トヨタ86)が制した。
JN3クラスは、全ステージでベストタイムをマークした天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGR SPORT)が開幕から2連勝。JN2クラスは明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)、JN1クラスは古川寛/廣田幸子(スズキ・スイフトスポーツ)がそれぞれ優勝している。
JRC第3戦は、4年ぶりにJRCカレンダーに復帰した『ラリー丹後2018』。4月27~29日に京都・京丹後市を舞台に行われる。