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LEXUS GAZOO Racing スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

2018年04月10日 10:41  AUTOSPORT web

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KeePer TOM'S LC500
スーパーGT 第1戦 OKAYAMA GT 300km RACE
平川/キャシディ組LEXUS LC500が9番手から追い上げ3位表彰台
大嶋/ローゼンクビスト組が4位

 スーパーGTが岡山国際サーキットで開幕。ディフェンディングチャンピオンの平川亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM’S LC500 1号車が9番手スタートから怒濤の追い上げを見せ、3位表彰台を獲得。大嶋和也/フェリックス・ローゼンクビスト組 WAKO’S 4CR LC500 6号車が4位に入りました。

 4月7日(土)~8日(日)の両日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで、スーパーGTの開幕戦、OKAYAMA GT 300km RACEが開催されました。

 日本のモータースポーツで最高の人気を誇るスーパーGTが今年も開幕。昨年、LEXUS GAZOO Racingは新規定にあわせて投入した『LEXUS LC500』で開幕から4連勝という圧倒的な強さを見せ、見事参戦初年度にしてタイトルを勝ち取りました。

 新規定2年目となる今季、ライバル勢の巻き返しも一層激しくなることが予想されるなか、LEXUS GAZOO Racingは新たなドライバーの加入など、更に強力なチーム体制の下、熟成を進めたLEXUS LC500と共に2年連続のタイトル獲得へ向け、開幕戦の岡山ラウンドに臨みました。

予選
 7日(土)は4月とは思えないほど寒い気候となり、午前中の公式練習走行終盤には、雨に雹が混じる程。予選開始時点では、路面は乾いていたものの、気温9度、路面温度15度という低温下で午後2時45分にノックアウト方式で予選が開始されました。

 3月に行われた岡山公式テストでは、好タイムをマークし、2年連続勝利へ向け期待が高まっていたLEXUS LC500勢でしたが、この予想外の気温にセッティングを合わせきれず苦戦。

 Q1では、今季スーパーGTに新たに参戦するフェリックス・ローゼンクビストのWAKO’S 4CR LC500 6号車が4番手、同じく今季よりGT500クラスにデビューすることとなった山下健太の駆るWedsSport ADVAN LC500 19号車が7番手でQ2進出を果たしました。

 しかし、低温下の厳しいコンディションの下、上位14台が1秒位内に入るという僅差の争いの中で、昨年のウイナーであり、ディフェンディングチャンピオンでもあるKeePer TOM’S LC500 1号車は僅か0.1秒及ばず9番手でQ2進出ならず。
 
 ZENT CERUMO LC500 38号車が10番手、直前のサーキットサファリでクラッシュを喫しながらも懸命な修復でQ1に出場したau TOM’S LC500 36号車が14番手、DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車が15番手と、4台がQ2進出を逃し、後方グリッドから決勝での追い上げを余儀なくされることとなってしまいました。

Q2は、直前のGT300クラス予選中に激しい雨に見舞われ、GT500クラスもウエットコンディションに。ウエットタイヤで大嶋和也が懸命なアタックを見せた6号車が4番手。国本雄資の19号車が7番手から決勝レースに臨むこととなりました。

 GT300クラスでは、Q1で嵯峨宏紀がドライブしたTOYOTA PRIUS apr GT 31号車が5番手、中山雄一がQ1を担当したK-tunes RC F GT3 96号車が10番手でQ2へ進出。

 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車は24番手、TOYOTA PRIUS apr GT 30号車が25番手、arto RC F GT3 35号車は28番手でグリッドが決定しました。

 Q2は直前に雨が降り始め、一転ウエットでのアタックに。ベテラン新田守男がアタックを担当した96号車が6番手。今季よりGT300クラスに戦いの場を移した平手晃平が駆る31号車が7番手グリッドを獲得しました。

決勝
 8日(日)は、昼頃には天候が回復。気温はやや肌寒いものの、太陽が顔を出したことで路面温度も上昇。気温11度、路面温度22度というコンディションの下、午後2時40分、岡山県警の白バイ先導によるパレードラップに続き、82周で競われるレースのスタートが切られました。

 スタートでは、4番手グリッドの6号車がポジションをキープする一方で、7番手の19号車はスタートで出遅れポジションダウン。これに対し好スタートを切った1号車が序盤から猛烈な追い上げを見せました。
 
 1号車を駆るキャシディは、スタートで6位に浮上すると、すぐにもう1台パスし、GTデビュー戦となるローゼンクビストの6号車に迫り、GT300クラスとの混走に苦しむ6号車を16周目にパス。さらに前を行く3台を追っていきました。

 1号車は22周目に前車をパスし3位へ。その後、2位の車両がジャンプスタートのペナルティで後退したため2位に浮上すると、次々に現れるGT300車両をかいくぐりながら、トップに迫りました。

 1号車のキャシディは、30周目あたりには首位とテール・トゥ・ノーズ状態となり、再三にわたってアタック。36周目のヘアピンでインに飛びこみ、立ち上がりで若干接触したものの、首位を奪取しました。

 45周目、首位の1号車はピットへ向かい、キャシディから平川へと交代しましたが、このピット作業で若干タイムをロス。タイヤ無交換作戦を採った1台を含む、2台のライバルに先行を許すこととなり、事実上の3位でコースへ復帰しました。また、接触によるダメージもあり、タイヤが暖まっていないアウトラップで6号車にもかわされてしまいました。

 しかし平川は諦めず追撃を開始。大嶋へと交代した6号車と表彰台を賭けての激しいバトルを展開し、54周目のヘアピンで6号車をかわして3位へポジションを上げました。

 その後、平川は一時12秒以上もあった2位との差をじりじりと詰めて行きましたが、惜しくも届かず、3位でチェッカー。9番手スタートから表彰台獲得を果たしました。6号車は4位フィニッシュ。38号車が8位、19号車が9位に入り、ポイント獲得を果たしました。

 GT300クラスでは、7番手スタートのプリウス31号車の嵯峨が、序盤から素晴らしい走りでライバルをかわしていき、20周目には2位へと浮上。まもなく首位の車両にも追いつきました。その後、10周以上に渡ってテール・トゥ・ノーズでの首位争いを繰り広げましたが、31周目に周回遅れに詰まって玉突き状態で接触。この接触で31号車は駆動系にダメージを負い、無念のリタイアを余儀なくされました。

 6番手からスタートを切ったRC F GT3 96号車は、中山雄一が好スタートでひとつポジションを上げましたが、その後タイヤの摩耗に苦しみペースダウン。後半を担当した新田も同じ症状に苦しみながらの周回を重ねることとなり、14位でレースを終えました。

コメント
KeePer TOM’S LC500 1号車 ドライバー 平川亮
「タフなレースでした。2位浮上までは順調でしたが、僕に交代する直前にニック(・キャシディ)が17号車と接触し、車両にダメージを負ってしまいました。カウルを破損したほか、ステアリングのセンターがずれて、まっすぐ走らないような状態でした」

「そのため最初6号車にかわされてしまいましたが、その後なんとかその状況下でドライビングするのに慣れていき、6号車を抜き返せました」

「最後は前との差も詰めることが出来たので、もう少し戦えたのかなと思うとちょっと悔しいです。それでも、昨日の状況を考えれば3位は上出来ですし、良い開幕戦だったと思います」

KeePer TOM’S LC500 1号車 ドライバー ニック・キャシディ
「車両の調子はとても良く、9番手スタートからトップまで浮上することができました。しかし、17号車をパスしたとき、避けられない状況で接触してしまい、車両にダメージを負ってしまいました」

「また、ピットでもタイムをロスしたのか、ポジションを落とすことになってしまいました。とはいえ、9番手スタートということを考えれば3位フィニッシュは文句ない結果です」

「タイトルを争うという点でも、良いレースができたと思います。ただ、ライバルのホンダ勢が本当にストレートで速かったので、次の富士も厳しい戦いになるでしょう」