MotoGP第2戦アルゼンチンGPのMotoGPクラス決勝レース、残り4周時点で6番手を走行していたバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ・MotoGP)に後方から追い上げてきたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が接触し、ロッシが転倒を喫した。この接触にロッシはゼスチャーで抗議。レース後のコメントも厳しいものになった。
開幕戦カタールGPで3位表彰台を獲得したロッシはアルゼンチンGPの週末、予選11番手と中団に沈んだ。しかし、オープニングラップで8番手にまでポジションをアップ。レース中にマシンの乗り換え許可を意味するホワイトフラッグが提示される微妙なコースコンディションのなか、15周目には6番手にまで順位を上げた。
レース終盤、そこでアクシデントは起きた。スタート時のアクシデント対応によりライドスルーペナルティを課せられ下位から追い上げてきたマルケスが、6番手のロッシに迫ると13コーナーでロッシのインに飛び込む。しかしウエットパッチに乗ったマルケスはフロントをロックさせ、充分にマシンを制動させることができなかった。
ロッシはマルケスに接触され、コースサイドに押し出される形で転倒を喫する。ロッシ自身、マシンにも大きな損傷がなかったようでロッシは再びレースに復帰したが、大きくポジションを落とすことになった。
「僕は大丈夫だよ。けれど、これはとても悪い状況だね」とレース後、ロッシは語っている。
「この週末に起こったこと、アクシデントひとつをとっても誰にでも起こりうることだし、ブレーキでミスもするだろうし、誰かに当たったりもする。だってこれがレースなんだから。でも、マルケスは金曜の朝から土曜の朝、今日にわたって(マーべリック・)ビニャーレス(アンドレア・)ドビジオーゾ、そして僕とに同じようなことをしているんだ」
ロッシは続けて「すべてのライダーがこんなことをしたら、ひどく危ないスポーツになってしまうし、悪い方向にいってしまうよ」とマルケスのレースに対する姿勢について懸念する。
「僕はレースディレクターのマイク・ウェッブに、彼らにより責任をとってもらいたいと伝えた。僕はマルケスとコース上にいることが怖いよ。今日も、彼の名前をオン・ボードで見たときに恐怖を感じたんだ。マルケスはこのスポーツを破壊してしまう。時速300キロで走っているとき、ライバルに対してはリスペクトの気持ちを持たなければいけないんだ」
5位でチェッカーを受けたマルケスは30秒のペナルティが課されて18位。ロッシは19位でレースを終えている。レース後、マルケスはロッシのピットを訪れたが、ロッシに直接の謝罪はできなかったようだ。今回の接触・転倒騒動、簡単に収まりそうになさそうだ。