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瑛太と鈴木亮平の熱い関係が話題に 『西郷どん』友情が生んだ名シーン

2018年04月09日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

 1856年(安政3年)、篤姫(北川景子)を御台所とする江戸城への輿入れも果たし、西郷
吉之助(鈴木亮平)は島津斉彬(渡辺謙)らと久しぶりに薩摩へと帰省する。吉之助にとっては3年4カ月ぶりの薩摩。放送でも第8回以来、5週ぶりに薩摩が舞台となる。『西郷どん』(NHK総合)第13回「変わらない友」は、吉之助と大久保正助(瑛太)の“男の友情”を描いた物語。鹿児島の旧加治木町に残る古道・龍門司坂にて撮影された、2人がともに歩み出すシーンは、吉之助と正助の熱い関係性を表した名シーンである。


 正助は、上役である常盤の早崎七郎左衛門の2番目の娘・満寿(美村里江)とめでたく祝言を挙げることとなった。吉祥院にて囲碁をたしなむ満寿は賢い女性だ。天下国家を動かす男となる正助を見越して、「つまらん縁談ならお取り消しになってよかです」と、あえて下手に出ることで正助に祝言を誓わせる。後に、正助の未来を見据え、彼を先に旅立った吉之助の元へと急がせるが、満寿の働きかけがなければ時代は動かなかったのかもしれない。


 江戸や京に出ている間も大久保家を守ってくれる満寿が嫁にきた。そして、吉之助が斉彬に正助がお供することを取り付けてくれた。全ての条件が揃うが、正助は江戸行きを拒む。吉之助が江戸に行っていた3年の間、吉二郎(渡部豪太)をはじめとした西郷家は貧乏に負けず、懸命に生きてきた。薩摩への後ろめたさから正助から出た言葉は「吉之助さぁは変わってしもうた。ずっと遠かとこに1人で行ってしもうた」。しかし、何事も動かねば変わらない。3年前、それを吉之助に教えてくれたのは、江戸行きを支えてくれた正助だった。きっと自身が一番分かっているのであろう。「あー!」という正助の叫びには、葛藤、怒り、迷いが見え隠れしている。


 父・次右衛門(平田満)、そして満寿の後押しもあり、正助は吉之助の元へ。龍門司坂を駆け上る正助の前に、坂を下りてくる吉之助が現れる。「忘れもんをした。おはんじゃ。大久保正助を忘れてきた」(吉之助)、「吉之助さぁ、すまんじゃった!」(正助)。正助にとって、吉之助を頼るというプライドが許さないところもあったのかもしれない。だが、そこにあるのは2人の友情。ピンと張り詰めていた緊張関係がゆるゆると溶けていくのが、吉之助と正助の表情に表れている。実際に、演じる鈴木亮平と瑛太の間にも、熱い友情が芽生えていたという。「なんでしょうね、気持ち悪いですけど、彼が好きなんでしょうね(笑)」という瑛太の気持ちがあってこそ生まれた名シーンだろう(『西郷どん』公式サイト|語りもす!男の友情編より)。


 互いに違う道を歩んでいた吉之助と正助が、龍門司坂を勇ましく満面の笑みで駆けていく。その姿は、薩摩を、そして日本を変えていく2人の強い志と友情が伝わってきた。第14回「慶喜の本気」からは新章に突入する。舞台を再び江戸に戻し、将軍の座を巡る戦いが勃発。井伊直弼(佐野史郎)と対峙する吉之助は何を思うのか。(渡辺彰浩)