MotoGP第2戦アルゼンチンGP、MotoGPクラスは、アルゼンチンのアウトドロモ・テルマス・デ・リオ・オンドで決勝レースを行ない、カル・クラッチロー(ホンダ)が優勝した。
MotoGPクラスの決勝レースはウエット宣言がなされ、現地時間の15時スタート予定だったが、グリッドに着いたところで、スリックタイヤをチョイスしていたポールポジションのジャック・ミラー(ドゥカティ)以外のライダーが、ピットにマシンを戻し、スタートディレイとなる。
約15分間の中断を挟んで、クイックスタートでスタート進行が再開。ピットに戻らなかったミラーはそのままポールの位置に、ピットに戻ったその他のライダーは、最前列のミラーから5列空けたグリッドに順番に並び、決勝レースは気温22度、路面温度23度、路面にはウエットパッチが残るコンディションの中、当初の予定より1周減算の24周で争われた。ところが、グリッドに着いたところでマルク・マルケス(ホンダ)がエンジンストール。マルケスはすぐに押し掛けでエンジンを再始動し、レースがスタートする。
ミラーのリードで始まったレースだが、1周目の13コーナーで上位陣にアクシデントが発生。3番手につけていたダニ・ペドロサ(ホンダ)のインをヨハン・ザルコ(ヤマハ)がやや強引につき、ペドロサはラインを外し、ウエットパッチに乗ってハイサイド転倒、リタイアに終わる。1周目をミラーがトップで戻り、マルク・マルケス(ホンダ)が2番手で続くが、マルケスは2周目のバックストレートでミラーを交わしてトップに浮上する。
しかし、スタート時のエンスト再始動が審議対象となり、マルケスは4周目までトップを走ったが、ピットに戻ってライドスルーペナルティを受けることになる。これでマルケスは19番手まで後退。ミラーがトップを走り、アレックス・リンス(スズキ)、ザルコ、クラッチローの4人が後続を引き離してトップ集団を形成する。
ミラーはレース中盤の15周目までバトルを繰り広げながらも、トップの座をキープするが、16周目の6コーナーでリンスがトップに浮上。しかし、17周目にはミラーがトップの座を奪還する。トップ集団の後方で周回を重ねていたクラッチローは18周目の13コーナーで一度はトップに浮上するが、19周目にはザルコがトップに立ち、レースをリード。そして、23周目のバックストレートでクラッチローがザルコを交わして再びトップに立ち、そのままトップでチェッカーを受け、今シーズン初優勝を達成すると共に、ポイントリーダーに浮上した。クラッチローはMotoGPクラス通算3勝目、この勝利はホンダのグランプリ通算750勝目ともなった。
僅差の2位にザルコ、3位にリンスが続き、ザルコは今シーズン初、リンスはMotoGPクラス初となる表彰台を獲得。ミラーは終盤遅れ、4位でチェッカーを受けた。5位にマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、6位にアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が入賞。ドビジオーゾはランキング2位に後退した。ティト・ラバット(ドゥカティ)は7位に入賞し、MotoGPベストリザルトを獲得。8位にアンドレア・イアンノーネ(スズキ)が続き、ルーキートップの9位にハーフィス・シャハリン(ヤマハ)、10位にダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)の順で続いた。
ポル・エスパルガロ(KTM)が11位、スコット・レディング(アプリリア)が12位に入賞。中上 貴晶(ホンダ)は13位とMotoGPクラス初ポイントを獲得。フランコ・モルビデリ(ホンダ)が14位、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)が15位に入賞した。
アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)は16位、トーマス・ルティ(ホンダ)は17位で完走。マルク・マルケス(ホンダ)はライドスルーペナルティを受けたことから19番手まで後退したものの、追い上げて5位でチェッカーを受けたが、20周目の13コーナーでバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)のインを突いた際に接触、ロッシをアウト側のグラベルに押し出す形で転倒させてしまい、これが危険走行と判断され、レース結果に30秒のペナルティを取られ、最終的に18位となった。ロッシは転倒後、再スタートし19位でチェッカー。カレル・アブラハム(ドゥカティ)が20位、ハビエル・シメオン(ドゥカティ)が21位に続いた。
ブラドリー・スミス(KTM)は18周目の1コーナーで転倒リタイア。アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は10周目の13コーナーで、追い上げ途中のマルケスに接触され、転倒は免れたものの、13周を回ってピットに戻りリタイアとなった。