「今週はいい戦いができるという予感はしていたけど、こんなにもマシンのフィーリングがいいとは思っていなかった。金曜日のフリー走行1回目から調子が良く、予選でもQ1、Q2とどんどん速くなって行った」というピエール・ガスリー。Q1は9番手、Q2も9番手といずれもトップ10をキープするスピードを披露して、Q3へ進出した。
これまでのガスリーのF1での予選結果は、F1にデビューした昨年のマレーシアGPの15番手が最高位。それ以外はすべてQ1落ちだったから、この結果に喜ぶには当然のことだった。しかし、ガスリーの速さはここでとどまらなかった。
「すべてをまとめないといい結果が出ない」(ガスリー)と臨んだQ3。1回目のアタックはユーズドのスーパーソフトだった。理由は「ニュータイヤで挑む最後のアタックのために、路面状況をチェックして、リズムを維持しておきたかったから」だという。
その作戦はうまくいく。「最後のアタックはセクター1からセクター3までバッチリだった」というガスリーが叩き出したタイムはQ2の自己ベストをコンマ5秒更新する1分29秒329。
ハースのケビン・マグヌッセン、ルノーのニコ・ヒュルケンベルグ、フォース・インディアのエステバン・オコンを抑えて、トップ3チームに次ぐ第二集団のトップとなる予選6位を獲得。予選4位のルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)がギヤボックス交換のペナルティで5番手降格するため、日曜日のレースは5番手からスタートする。
ホンダがF1に復帰した2015年からこれまでの予選最高位は2016年のオーストリアGPでのジェンソン・バトンの5位(3番手スタート)。今回の予選6位と5番手スタートは、それに次ぐ好結果だった。
トロロッソ・ホンダにとって、この日はもうひとつ明るい話題があった。それはチームメイトのブレンドン・ハートレーが11番手に入ったことだ。ハートレーにとっても、今回の予選は初めてQ1を突破し、Q2に進出した予選となった。
「チームが持ってきてくれたアップデートが大きかった。昨日は比較テストのため、僕は古い空力で走っていて、今日初めて新パッケージを使った。こんなにいいパフォーマンスが発揮できるなんて、チームに感謝しなくちゃいけない」(ハートレー)
ホンダF1のテクニカルディレクターの田辺豊治は、今年初のQ3進出をチーム全体の成果だと評価した。
「この結果はPUだけでなく、チームが持ち込んでくれた新しい空力パッケージとドライバーが頑張って獲得した結果なので、うれしいです」
だが、レースは日曜日。57周先にどんな結果が待っているのか。喜ぶのは、まだ早い。