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主要キャストは3人のみ? 『コンフィデンスマンJP』は、名作コンゲームになり得るか

2018年04月08日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 “コンフィデンスマン”とは、通称・詐欺師。日本で作られた「詐欺師モノ」の作品には、『クロサギ』(TBS系)や『嘘の戦争』(関西テレビ・フジテレビ系)など、最終的な目的のために、どこか闇を抱えた主人公が嘘を重ね、復讐を果たしていくというイメージがある。そして4月9日より、コメディー要素をふんだんに取り入れ、全く明るい作風に振り切った詐欺コメディー『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)がスタートする。


参考:【画像】4月9日放送『コンフィデンスマンJP』第1話の3人の相手は江口洋介


 本作の主要キャストとして発表されているのは、劇中で“コンフィデンスマン”(信用詐欺師)としてチームを組んでいる、“コンフィデンスウーマン”ダー子役の長澤まさみ、“コンフィデンスマン”ボクちゃん役の東出昌大、“コンフィデンスマン”リチャード役の小日向文世の3人だ。これまでの日本のドラマの流れから考えると、本作であれば、3人の家族や友人、近所の人など、もう何人かレギュラーとなるキャストが発表されてもおかしくないのだが、本作の主要キャストはこの3人のみ。彼らのターゲットとなる欲望にまみれた人物が各回に登場し、壮大な計画で大金を騙し取る、1話完結型ドラマとなっている。既に発表されているゲストには、江口洋介、内村光良、吉瀬美智子らが揃い、騙し合いとともに名演技合戦が繰り広げられるであろうことを予感させる。


 詐欺コメディーという括りからより具体的に本作の題材を探っていくと、“コンゲーム”というジャンルに辿り着く。信用詐欺、取り込み詐欺師、騙し騙され二転三転するストーリーのジャンルを意味する“コンゲーム”作品は、海外で話題作が多く作られている。『スティング』、『ミッション:インポッシブル』シリーズ、『オーシャンズ11』シリーズなど、世界中で長く愛されている作品ばかりだ。


 シリーズものも多い“コンゲーム”作品に挑戦したのが、脚本家の古沢良太。『ALWAYS 三丁目の夕日』や『探偵はBARにいる』などの映画や、ドラマ『リーガルハイ』(フジテレビ系)などのシリーズ作品を多く手掛けてきた実績がある人物だ。また、『リーガルハイ』や2017年に公開された映画『ミックス。』など、コメディータッチの作品は古沢が得意とするもの。両作で新垣結衣にコミカルな演技の新境地を切り拓かせた古沢が、『コンフィデンスマンJP』では、どこまで長澤をハジけさせることができるのかも注目である。


 本作に登場するダー子、ボクちゃん、リチャードの関係性は、公式サイトには「仲間?」とあるだけで、未だ不明である。彼ら3人がそれぞれ騙しの対象とするのは、各回のターゲットたちだけには留まらないはずだ。そして誰が誰を騙しているのか観察していく私たちも、役者たちの演技に騙されていく姿が目に浮かぶ。月曜の夜を楽しく彩ってくれるドラマがいよいよ幕を開ける。


(大和田茉椰)