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ARTA NSX-GT スーパーGT第1戦岡山 予選レポート

2018年04月07日 20:51  AUTOSPORT web

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ARTA NSX-GTの野尻智紀と伊沢拓也
第1戦 岡山国際サーキット

難しいコンディションの中、伊沢が絶妙なコントロールで予選2位

 21年目を迎える今年のARTAは長年親しんできたロゴをリニューアルし、また「レーシングスポーツブランド」として生まれ変わった。その変貌はサーキットのイベントスペースにあるARTAのブースで見る事が出来る。現地に来ているファンの方々には是非ブースまでお越し頂きたい。また、ARTAのブランドサイト(https://artaracing.com/)も新たにオープンしている。

 今年のチーム体制は既に発表しているとおり、野尻智紀と伊沢拓也の組み合わせだ。伊沢は2009年にARTAに在籍しており、9年ぶりの復帰。その年は2勝を挙げ、ランキング2位を記録している。最終戦での優勝は背後に迫るチャンピオンドライバーを抑えての勝利で、今でも記憶に残る素晴らしいレースだった。現在最も注目されている野尻とのコンビネーションは期待せずにはいられない。

 さて、午前のフリー走行は、持ち込みのセット確認から始まった。予選へ向けてセットアップを進めていったが、天候が安定しない中、不安を抱えたまま予選を迎えた。

 今年最初のQ1は野尻だ。野尻は低い気温の中、タイヤを暖めながら徐々にタイムアップしていった。難しいコンディションの中、野尻はQ1突破ギリギリの8位で伊沢にバトンをつないだ。

 Q2が始まるまでに路面は完全なウェットコンディション。雨は強くなっていたが、伊沢はこのようなコンディション変化でも集中力を切らさずアタックに入っていった。各車タイムアップに苦しむ中、伊沢は見事なコントロールで、自己ベストを更新していった。他車も徐々にタイムアップしていたが、気迫ある走りで見事2番手のタイムを記録し、初戦をフロントローからスタートする事になった。

鈴木亜久里監督のコメント
「ハラハラした予選だったね。岡山に来るまで不安ばかりでどうしようと思っていたけど、チームとドライバーが見事な仕事をしてくれたね。野尻も伊沢も難しいコンディションで車をコントロールしてくれて、特に伊沢は気温が低いあの雨の中で凄いドライビングをしてくれたね。しかし、重要なのは明日のレース。優勝を狙えるポジションなので当然優勝を狙っていくから期待していて下さい」

星学文エンジニアのコメント
「シーズンオフのテストから公式テストまで積み重ねてきた事を見直して持ち込みのセッティングを決めましたが、午前のセッションでは天候が不安定でセットの評価が出来ませんでした。しかしながら、ベースのセットとしては良くなっている手応えがあります。迎えた予選はドライバーが頑張ってくれて、Q1はギリギリで通過出来ました。Q2はタイヤの選択が難しかったのですが、結果を見ると間違っていなかったのかな?と思います。悪いコンディションの中、伊沢が上手くコントロールしてくれてフロントローを獲得出来たのは非常に良かったです。明日は昨年の雪辱を果たしたいと思います」

野尻智紀選手のコメント
「開幕前は決して順調ではありませんでしたが、今日の走り出しから色々なセットを試していたら、良い部分も見えてきました。しかし、コンディションが安定しなかったので、ボク自身のドライビングやセットアップが上手く合わせきれているかどうか不安な部分もありました。午前のセットの方向性が間違って無かった事が確認出来、何とかQ1を突破出来ました。Q2は伊沢さんが素晴らしい走りをしてくれたので、フロントローという好位置でスタートを切る事が出来ます。明日は全てを出し切って良い結果に繋げたいと思います」

伊沢拓也選手のコメント
「ウインターテストから順調だったとは言えない状態で開幕前を迎えたので沢山不安がありました。そんな中、野尻選手がQ1を突破してつないでくれて、Q2で良いポジションを得られたのはチームの頑張りが表れたのだと思います。そしてボク自身が移籍して最初のレースは非常に重要な事だと考えていたので、この予選までは良いカタチに出来て良かったと思っています。明日は初戦を良い結果で締めくくれるよう集中していきます」