オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC) WRC世界ラリー選手権第4戦ツール・ド・コルスは4月6日、競技がスタートし、TOYOTA GAZOO Racing WRTはオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)とエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4、5番手につけ、僚友のヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合8番手となった。
晴天に恵まれたデイ1は全長50km弱という超ロングステージのSS1と再走のSS3を含む合計4本のSSで争われた。前日のシェイクダウンでは路面に流れ出た泥の影響や、週末のコンディションに合わせたセットアップに注力したことからタイムを伸ばせなかったトヨタ勢だったが、この日はツール・ド・コルス最初のステージとなったSS1でタナクが3番手タイムを記録するなど、トヨタ・ヤリスWRC本来のスピードを発揮。
最終的に総合4番手で初日を終えたタナクは、総合3番手のクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)から5.5秒、2番手のティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 WRC)とは約10秒差という表彰台を十分狙える位置につけた。
また、ラッピもSS2で2番手タイムをマークすると、この日最後のSS4では全体トップタイムを記録してステージ優勝を飾りトップ5圏内に入っている。
チーム内で唯一苦戦を強いられたラトバラも、午前と午後の間に設けられたサービスの間にマシンに調整を加えたことでSS3以降は良い感触を取り戻し、SS4ではラッピに次ぐ2番手タイムを刻むなど復調を果たした。
「今日はあまり良いスタートではなかったが、非常にポジティブな形で1日を終えることができたと思う」とトミ・マキネン代表。
「特に、最終ステージではこのラリーでの経験が十分ではないにも関わらず、エサペッカ(・ラッピ)がベストタイムを記録するなど、素晴らしい内容だった」
「ヤリ-マティ(・ラトバラ)も調子を上げてきているようだし、オット(・タナク)は表彰台を狙える良い位置につけている。明日はまた新たなる1日となるので、引き続きハードワークを続けていく。まだまだ改善できることは沢山あるはずだからね」
トヨタ勢最上位につけたタナクは「クルマはとても良いフィーリングだ。午前中の時点でクルマのハンドリングが良く、十分ポジティブな感覚を得ていたのだけど、日中のサービスでいくつかセッティングを変更したところ、フィーリングはさらに良い方向に向かった」とコメント。
「明日に向けてはいくつかアイディアがある。上位選手とのタイム差は少なく、手が届く位置にいると思うよ」
また、ラトバラは「午前中は間違った方向にセットアップを進めてしまった。自信を失い、上手く走ることができなかった」と初日を振り返った。
サービスでのセッティング変更後は「ブレーキのフィーリングが向上し、リヤの挙動もつかみやすくなったんだ」と述べ、「最後のステージが始まる前にさらなる変更を施したところ自信が一層増した。明日からは期待が持てる」と続けている。
SS4のステージトップタイムをマークしたラッピは「(2本のステージの内)短いほうのSSは速度域が高く、僕たちのクルマに合っていたと思う」とヤリスWRCの特性を評し、明日以降に関しては「まずは5位を守ることが目標」と語った。
競技2日目となる7日(土)のデイ2は、島の北側エリアに設けられる3本のステージで合計6本のSSが行われる。SSの合計距離は136.90kmと3日間で最長となり、総走行距離は487.94kmに上る。