WedsSport ADVAN LC500 2018年シーズン開幕を迎えたスーパーGTは、4月7日に岡山国際サーキットで公式練習が行われ、GT500クラスはWedsSport ADVAN LC500が栄えあるシーズン最初の1番時計を計時。GT300クラスはSUBARU BRZ R&D SPORTがトップタイムをマークした。
前日金曜搬入日には大粒の雨が落ち、午後にかけても雨量が衰えなかった岡山国際サーキットは、日付が土曜に変わり雨は上がったものの、午前9時のセッション開始時の気温は手元計測でひと桁の8度。まだ路面にはウエットパッチが残り、吹き付ける風もひんやりと感じる冷間コンディションのなかで始まった。
セッション開始からピットロードの1コーナー側に陣取るレクサス陣営が、au TOM'S LC500を先頭にコースイン。2017年チャンピオンであり、前年の岡山勝者KeePer TOM'S LC500はホームストレートを通過するなか、au TOM'S LC500、WAKO'S 4CR LC500はアウトインでピットに戻り2セット目のレインタイヤに交換。各車ともに皮むきの作業をこなしてから、スリックタイヤへと履き替えていった。
セッション15分経過時点で首位に立っていたのは、タイトル奪還を期すMOTUL AUTECH GT-Rで1分23秒933をマーク。しかし、ここから連続周回に入ったレクサス陣営が立て続けにタイムを更新し、DENSO KOBELCO SARD LC500が1分20秒台まで順調にタイムを詰めていく。
注目のジェンソン・バトンは山本尚貴からマシンを受け取りコースへと飛び出すも、なんらかのトラブル発生か、マシンはすぐにガレージへと押し戻される形となってしまう。
一方、GT300クラスも各車順調に周回を重ねるなか、序盤は昨季までのGT500ワークスドライバー、小林崇志のドライブするUPGARAGE 86 MCが1分26秒819で首位に立つも、30分経過時点からARTA BMW M6 GT3がトップタイムを更新、TAISAN R8 FUKUSHIMAの3台がトップ3を分け合う格好に。
またGT500クラスも23号車、39号車の2台だけが19秒台に突入し、ロニー・クインタレッリ、ヘイキ・コバラネンが精力的に周回。
しかしその直後、午前9時33分にコースには赤旗が掲示されセッションが中断。1コーナーのクリッピングポイント付近でオフィシャルが路面を確認し、オイル漏れの処理が行われた。
セッションは9時39分に再開されると、各車一斉にコースイン。しかし、アトウッドの上り坂中腹でHitotsuyama Audi R8 LMSがストップ。ギヤボックスがスタックしてしまったようでけん引ができず、ふたたびの赤旗となってしまう。
積載車でのマシン搬出後、9時55分にセッションが再開されると、GT300クラスではSUBARU BRZ R&D SPORTがトップに浮上。GT500クラスでもWedsSport ADVAN LC500が19秒台前半に入れ、10時を回ったところで両クラスの首位が入れ替わり、かつトップ3のタイヤメーカーが分かれる興味深い展開となっていく。
混走時間も残り15分となったところで、1コーナー立ち上がりで今季から参戦を開始したCARGUY RacingのCARGUY ADA NSX GT3がスピン。幸いダメージはなく、コースへと復帰していくと、その黄旗掲示直前にはGT500クラスのKEIHIN NSX-GTが19秒台に突入し2番手に。トラブルを解消したHitotsuyama Audi R8 LMSもコース復帰を果たした。
そしてセッション終盤となるGT300占有走行開始5分前にはワイパーを作動させるマシンも見え始め、1コーナー付近で雨が来たとの情報が聞こえるなか、LEON CVSTOS AMGがそのストレートエンドで止まりきれずにワイドラン。
その後コース全体で雨脚が強まってくるが、天候変動の影響も最小限にGT500クラスは1分19秒323をマークしたWedsSport ADVAN LC500がトップをキープ。KEIHIN NSX-GT、MOTUL AUTECH GT-Rが続き、3車種、3タイヤメーカーがトップ3を分ける結果になった。
一方、GT300クラスも1分26秒189のSUBARU BRZ R&D SPORTを先頭に、UPGARAGE 86 MC、ARTA BMW M6 GT3と、こちらも異なるタイヤメーカーがトップ3を分け、4番手にHOPPY 86 MC、そして王座防衛を期すグッドスマイル 初音ミク AMGが5番手につけ、順調にロングランをこなして混走時間終了となった。
続く10時25分からのGT300占有走行は、コース上は急激に濡れウエットトラック宣言下でのセッションに。当然タイム更新はなく、各車ともレインの感触を確かめて10分間が終了。
10時35分からのGT500専有走行枠も、各車がレインタイヤでの走行となり、混走時間の途中からコース復帰していたRAYBRIG NSX-GTの山本尚貴が自己ベストを更新。しかし、ガレージに収まっていた時間も長く、山本とバトンはライバルより短いマイレージしか稼げないまま、セッションを終えている。
その後のサーキットサファリでは、まさかのアクシデントが発生した。au TOM’S LC500がアトウッドの進入でオーバーランし、スポンジバリアに激しくクラッシュ。マシンの右横やや後方からぶつかってしまい、リヤウイング、リヤハッチが吹き飛んだ。
幸い、ドライバーに大きな怪我はなかった模様で、au LC500はその後自走でピットに戻ったものの、サーキットサファリは前代未聞の赤旗終了。スーパーGT開幕戦は初日から波乱の展開で始まることとなった。
スーパーGT第1戦岡山の公式予選は14時45分スタート。このあとは天候も回復すると見込まれている。