映画『私は絶対許さない』の新たな場面写真が公開された。
明日4月7日から東京・テアトル新宿ほか全国で順次公開される同作は、雪村葉子の手記『私は絶対許さない 15歳で集団レイプされた少女が風俗嬢になり、さらに看護師になった理由』をもとにした作品。15歳で集団レイプされ、家族や親戚にも冷たく突き放された主人公・葉子が、いじめ、援助交際、全身整形、風俗店勤務などを経験する半生をほぼ全編にわたってPOV撮影で描いている。監督は精神科医であり、映画監督としては『受験のシンデレラ』『「わたし」の人生』などを発表している和田秀樹。整形前の葉子役を西川可奈子、整形後の葉子役を平塚千瑛が演じている。
場面写真では、レイプされた直後の自身の姿に呆然とする葉子のカットや、葉子を嘲笑する同級生たちの姿、ラブホテルのベッドに葉子とレイプ犯の1人である若者の養父・早田が横たわるシーンなどが公開。また、同作で劇場映画復帰を果たした早田役の隆大介と、原作者の雪村のコメントも発表されている。
初日となる明日4月7日は東京・テアトル新宿にて初日舞台挨拶を実施。平塚千瑛、西川可奈子、友川カズキ、隆大介、佐野史郎、和田秀樹監督らが登壇し、出口陽(ex.SKE48)が主題歌“迷宮”を歌う。
なお、映画は『ニース国際映画祭』の最優秀外国語映画賞、最優秀監督賞、最優秀オリジナル脚本賞、最優秀オリジナル音楽賞にノミネートされている。
■隆大介のコメント
レイプされた女性が一生涯単位で引き摺るトラウマ...その卑劣な犯罪を、ほぼ全扁を主人公の主観アングルで描くことで、レイプと云う許し難い行為に真正面から向き合った和田監督と高間キャメラマンの演出は、映画史に残る画期的な手法だと思います。
早田役は、二人の関係性はどうあれ、苛酷な境遇で生きざるを得なかった葉子にとって、数少ない心安らげる存在で有りたいという想いを大切に演じました。
■雪村葉子のコメント
15歳で集団レイプ被害に遭い私が死んでから20年が経過し、私は昼は看護師、夜はSM嬢として働いておりました。3年ほど前でしょうか、たまたまある作家さんの取材を受ける機会がありました。
その作家さんと同席されていた女性編集者との会話の中で、15歳の頃に集団レイプされた経験をお話しさせていただいたところ、「なぜ集団レイプ被害者のあなたが風俗嬢になったのですか? そういう経験をしたら、男性嫌悪になって、触られるのも嫌になるのではないですか」と大変驚かれました。
「確かにそうかもしれません。でも、私にとっては、こういう生き方をすることも男達への復讐なのです」
とお答えしました。
その数日後、「あなたの復讐を、本として書いてみませんか」と手紙が届きました。そして私は、今まで封印していた記憶を、はっきりと言語化してこなかった過去を、『私は絶対許さない』という本にまとめることになりました。そう、本の出版も、私にとっては復讐の一つだったのかもしれません。
出版にあたり、私は条件を出しました。
「私を強姦した男達の名前を、すべて実名で出すこと」。
当時15歳だった私は、この事件を、親にも、警察にも言う勇気はありませんでした。
彼らはきっと、私にだけでなく、他の女の子にも同じようなことをしていたはず。
それでも、なんのお咎めもなくのうのうと生きているのだ、と思うと、これだけは譲れませんでした。
これは、今回の映画化でも同じです。
この映画がヒットし、彼ら5人が、この映画をうっかり観ますように。
きっと、普通に結婚したり、娘がいる人もいるでしょう。
そして、私を犯した過去など、とっくの昔に忘れているかもしれません。
私は、あの日から一日たりとも、一分たりとも、忘れたことなどないというのに!
最後になりましたが、この作品にかかわってくださったすべての方に感謝するとともに、この作品によって、世界中からレイプ被害者が一人でも減ってくれることを心から祈っております。