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高畑勲さん逝去悼む声、各界から相次ぐ 『耳すま』雫役・本名陽子「女性の描き方が特に好きでした。もっともっと学びたかった」

2018年04月06日 13:11  キャリコネニュース

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映画の『火垂るの墓』『平成狸合戦ぽんぽこ』『かぐや姫の物語』などを監督した高畑勲さん(82)が4月5日、東京都内の病院で亡くなった。

高畑さんは東京大学卒業後、東映動画(当時)に入社。宮崎駿監督(77)とともに制作会社を移籍し、映画『パンダ・コパンダ』、テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』などの演出を担当した。他にも『おもひでぽろぽろ』『ホーホケキョとなりの山田くん』『じゃりン子チエ』などで監督を務めた。

この訃報にツイッターでは『火垂るの墓』『高畑監督』『高畑さん』などのワードがトレンドの上位を占め、多くの人がコメントが寄せている。高畑さんが演出を務めた『赤毛のアン』でアンの同級生ギルバート・ブライスを演じた声優の井上和彦さんは、

「高畑勲さんが・・・。またひとり、偉大な人が・・。心よりご冥福をお祈りいたします」

と高畑さんの死を悼んだ。

声優デビュー時「右も左もわからなかったわたしに優しく声をかけてくださった」

また『耳をすませば』で月島雫を演じた本名陽子さんも自身のブログで、高畑さんとの思い出を振り返る。本名さんは『おもひでぽろぽろ』で主人公・岡島タエ子の幼少期役で声優デビューしており、

「右も左もわからなかったわたしに優しく声をかけてくださったのを今も覚えています」

と懐かしんだ。一昨年、娘を連れてスタジオジブリを訪れた際には高畑さんが、「とても喜んでくださり、抱っこまでしてくれました」という。

「その娘が今や、毎日のように『かぐや姫の物語』を見て、劇中の歌をいつも口ずさむまでに成長しました」
「語りたいことは山ほどありますが、込み上げてきて、ダメです。わたしは、高畑さんの作品の、女性の描き方が特に好きでした。The Roseの訳詞『愛は花、君はその種子』が好きでした。もっともっと学びたかった。いろいろお聞きしたかった」

『ドラゴンボール』のピッコロを演じた声優の古川登志夫さんも自身のツイッターアカウントに「起床。一番に高畑勲監督の訃報。脳裡に浮かぶのは『天国への凱旋』という言葉。謹んで哀悼の意を表します」と投稿している。

蓮舫議員など政界からも追悼の声

高畑さんの死を悼むのはアニメ関係者だけではない。立憲民主党の蓮舫参議院議員も、

「『火垂るの墓』という素晴らしい作品を残してくださったことに感謝です。毎夏、子どもたちと平和への想いを強く再確認してきました。心から、ご冥福をお祈りします」

とツイートしている。

高畑さんは安保法案反対や脱原発のデモや集会に参加することもあったという。日本共産党の吉良よし子参議院議員はツイッターで「ショック…高畑勲さんの訃報が。『かぐや姫』『おもひでぽろぽろ』…高畑さんの人間への愛が溢れる作品が大好きです」と述べた上で、

「特定秘密保護法廃止のデモでご一緒したことも。『若い人たちもがんばってるね』と嬉しそうにしていた姿を覚えています。心からご冥福をお祈りします」

とデモ参加時の写真とともに掲載していた。

他にもお笑いタレント『パップコーン』の芦沢ムネトさんが「高畑勲さん、、。とてもとても残念です。悲しい。高畑さんの繊細な演出は日本の宝。ありがとうございました」と投稿するなど、各所から訃報への嘆きと高畑さんへの想いが寄せられている。

高畑さんのお別れ会は、5月15日に予定されている。