FIAは4月4日にWMSCワールド・モータースポーツ・カウンシルの電子投票を行い、WRC世界ラリー選手権においてパワーステージの“遅刻”を防止する追加規則を決議した。
WRCの各大会最終日に行われるパワーステージは、ステージ上位5名のドライバー追加のドライバーズポイントが与えられるステージ。各ドライバーはここでポイントを獲得するべくプッシュすることから見ごたえあるラリーが展開され、テレビ中継なども行われる。
その一方、グラベル(未舗装路)やスノーイベントなど、ステージ出走順が遅いほうがタイムを出しやすい路面コンディションになるイベントでは出走順を遅らせようと策を講じるチームも出現。第2戦スウェーデンでは出走順を遅らせるべくセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が“故意に”遅刻する奇策を講じていた。
こうした事態を受けてWMSCは電子投票を実施。定められた出走順で走行しない限り、パワーステージのボーナスポイントが付与されないようにする追加規則を決議した。
この新ルールにより、FIAは故意に出走順を変更する事態を避けられるとしているほか、これ以上競技車両が走行しないと考えた観客がコースに侵入することがないように安全面にも配慮できるとしている。
新ルールは即日に効力を持ち、4月5日に開幕するWRC第4戦ツール・ド・コルスから適用されることになる。