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買収から2年、婦人靴「卑弥呼」がリブランディングで若年層の顧客獲得へ

2018年04月05日 08:13  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

デビューしたマニッシュシリーズ「ON MUSTA」 Image by: 卑弥呼
婦人靴ブランド「卑弥呼」が、名称を「HIMIKO」に変更した。ブランドリニューアルに伴うもので、新たな施策で20代を中心とした若年層の取り込みを狙う。

 株式会社卑弥呼は1973年に創業し、9センチを超える細いヒールを採用したパンプスが人気を集めてきた。しかし販売苦戦が続き、2016年に投資銀行リサ・パートナーズが100%出資する合同会社HSHが、卑弥呼を完全子会社化。これに伴い上場を廃止し、経営体制を含めた抜本的な改革を図った。
 リブランディングは2017年秋冬シーズンから段階的にスタートし、各店舗に順次反映している。具体的には、これまでHIMIKOブランドのなかで「卑弥呼」「エレガンス卑弥呼(elegance 卑弥呼)」「ウォーターマッサージ(water massage)」の3つのシリーズ展開してきたが、リブランディング後は卑弥呼を「On Bleue」、エレガンス卑弥呼を「On Rouge」に名称を変更。長時間履き続けられる機能性を重視したウォーターマッサージでは「若者にも健康を見直してほしい」という思いから、若者向けのデザインを取り入れた。また、業界最先端の独自CAD設計システムと3Dプリンターを木型開発に活用し、70年代に流行したアーカイブ商品の復刻版の発売を可能にしたほか、熟練職人の技術と高級素材を組み合わせたシリーズ「ON SEPIA」と、凛としたクールな女性に向けたマニッシュシリーズ「ON MUSTA」を新たに発足させるなど、「原点改起」をコンセプトに新たな試みに積極的に取り組んでいる。
 リブランディングの背景として、同社の広報担当者は「これまで百貨店がメインの販路だったため、30~50代がメインで新規顧客を取り込めていなかった」と話す。リブランディング後は20代前半もターゲットに含め、幅広い選択肢を用意しライフスタイルを提案していく考えだ。また、2018年春夏シーズンから防水機能を備えた新ライン「卑弥呼 RAIN」を始動。シューズに加えてレインコートやバッグなど多様なラインナップをそろえ、今夏から本格的に展開する。