新入社員を迎えた職場では、若い新人との価値観の違いにイラっとする人もいることだろう。そんなイラ立ちを抑えきれない人が、4月2日のおーぷん2ちゃんねるに「今日入ってきた新卒が早速やらかしやがったw」とスレッドを立て、不満をぶちまけていた。何をやらかしたのかと思えば、
「入社式で居眠り 元気よく挨拶しない エレベータに躊躇なく乗る メモすら取らない」
と並べ、「なんなんこれ。最近の大卒って何考えとるん?」と呆れる。(文:okei)
「エレベーターは客人が乗るもの」「新卒が乗っていいわけあるか」
確かに入社式に居眠りは残念だ。しかし「元気よく挨拶」は基準がよくわからないし、「エレベーターに躊躇なく乗る」のがそんなに悪いことだろうか。レスコメントにも「エレベーターに乗ったらヤバいんか?」と疑問を投げかける声が多かった。
スレ主は「エレベーターは客人が乗るもの」で「新卒が乗っていいわけあるか」と息巻く。自身も階段を使っているらしい。「のうのうと」エレベーターに乗った新人は、中にいた役員に挨拶もしなかったそうだ。
「こんな基本すらわからんやつが仕事ちゃんとできるとは思えんわ」
と憤り、教えてやればと諭す声にも「そんなとこから育てる暇なんかないから」とにべもない。
スレ主にしてみれば、社会に出たとき「基本のルール」や「常識」を身に付けているのは大卒ならば当たり前で、そんなところから教えている時間はないというわけだ。新人がエレベーターに乗ってはいけないのも、常識のひとつらしい。
これに対して「自社ルール教えないで使えないと騒ぐ連中ってなんなんだろうな」「エレベーターは意味不明」などの批判が上がった。やはり、教えもしないで「常識なのに」とネットで文句を言うのは陰湿というものだ。
「エレベーター乗っちゃダメ」は、場面によっては常識だった
しかしスレ主は、新人がエレベーターに載ってはいけないことは「きょうびどこのビジネスマナー本にも載ってる」と断言している。本当にそうだろうか。
確かに、新人が気を付けなければならない「エレベーターのマナー」は存在する。
「先輩や上司が乗るときは、自分は乗らず『どうぞ』と先を促しドアを押さえて開けておく」
「自分は最後に乗り、階数ボタンの前で操作をする」
などだ。慣れないと判断が難しいが、「お客さんと上司が先に乗っているエレベーターを途中階で止めてしまった場合は、乗り込まない」というのもある。
ネットで検索してみると、新人のエレベーター使用禁止ルールがある会社も、意外とよくあるようだ。理由は、新入社員はまだ配属先が分かれておらず、皆一緒に行動するのでエレベーターが混雑してしまうといったことようだ。この時期、ツイッターには朝のエレベーター前が新人の群れで混雑し辟易する人のつぶやきが少なくない。オフィスが多数入っているビルでは、他社の人にまで迷惑をかけることになる。
しかし大人数で動く場合はともかく、新人は絶対に使っちゃダメというのも横暴ではないだろうか。ツイッターには、6階に配属されて階段しか使えないのはつらいと訴えるツイートもあった。
そもそも、学校を出たての若者に社会の常識がすべて身についているわけではない。筆者も会社員のころ、高学歴の新入社員から「〇〇っちゃん」と呼ばれて驚いたことがある。数か月は学生気分だと割り切って、一から教える寛容さも「仕事のうち」と思っていただきたい。
ちなみにこのスレ主、「採用した奴に文句言えば」というコメントに、自身が採用担当だったこと、学歴を見込んで採用したことを明かしていた。これには「採用するかどうか学歴だけで判断できるなら人事部はいらねえだろ」と突っ込みが入っていた。もっともである。