学生はサークルやゼミ、バイト先など様々なコミュニティーに所属する分、仲間づくりのチャンスも多い。しかし社会人になると、どうしても会社中心の生活になりがちだ。気づけば職場と家を往復する毎日、という人も少なくないだろう。
はてな匿名ダイアリーには今年1月中旬、「社会人になってから家と職場以外の居場所を作るのがこんなに難しいとは思わなかった…」というエントリがあった。投稿者は仕事以外で交流を持てる人が少なく、寂しさを感じている。他者とのつながりを求めるといっても恋愛する気持ちはなく、一緒にお酒やコーヒーを飲んだり、気軽に会って近況を報告し合ったりする気の置けない仲間を求めているようだ。
「歳取ると、恋人作るより友人作る方が難易度高いんじゃないかとはよく思う」
投稿者の「孤立している大人同士を繋げる方法ってないもんだろうか?増田(編注:匿名ダイアリーの読者)たちはどうしてる?教えて欲しいんだ…」という切実な訴えに、600件を超えるはてなブックマークがついた。投稿者に同情するコメントも多い。
「わかる。街コンもオフ会も行ったことあるけど虚しくなってしまった」
「歳取ると、恋人作るより友人作る方が何気に難易度高いんじゃないかとはよく思う」
「会社人生以外、余力も時間も残らない社会だからね」というコメントのように、そもそも1日8時間かそれ以上を仕事に割いていたら、社外の人に会う機会を作れないという指摘もあった。
「趣味のイベントに行く」「SNSで発信する」なんでもいいから行動すれば悩みから抜け出せる
一方で、かつては投稿者と同様の悩みを抱えていたが、趣味を通じて自分の居場所を見つけられた、という人からのアドバイスもあった。
「私は絵画教室が心のよりどころみたいになってる。先生褒め上手だし、いい気分になって帰ることが多い。出会いは無いけど、心のふれあいはある」
「趣味のイベント探して行くがよろし。私はそうして居場所作れてるからラッキーだったな。一生モノの趣味は財産」
習い事には、単発の教室や体験レッスンのように「ちょっとやってみようかな」という気持ちに応えるものもある。自分と似た好みを持つ人が集まる場なら、気の合う人も探しやすい。闇雲に人間関係を広めようとするより打率は高そうだ。
ほかには、「バーとかで知り合った連中と出掛けたりするけどなぁ」「個人経営の飲食店の常連になる」など飲食店に通ってみるというアドバイスや、「Twitterで騒いでたら、リアルでもお友達できるよ」など、SNS経由でコミュニティーを構築してはどうか、という意見もあった。
こうして見てみると、居場所がないという悩みから抜け出した人はほとんど、自分から足を運んだり情報を発信したりと、人の目に触れる行動をしている。つまるところ、なんでもいいから何か行動することが大切なのだろう。
今や、ネット上でつながりを持った人同士がリアルな場で会う「オフ会」も珍しくない。悶々とした気持ちを抱えて何もしないくらいなら、SNSで自分の関心があることを発信し続け、交流のチャンスを掴むほうが生産的かもしれない。