(C)本郷あきよし・東映アニメーション 少年・タカトがデジモンのギルモンや仲間たちとの繋がりを通して成長していくデジモンシリーズ3作目『デジモンテイマーズ』。
2001年に放映されてから17年経った今でも、熱烈なファンに支持されている『デジモンテイマーズ』の全51話を収録したBlu-ray BOXが4月3日に発売を迎えた。
先日、関弘美プロデューサーらメインスタッフ4人による座談会記事を公開したが、今回はキャラクターデザインを担当した中鶴勝祥氏にインタビューを敢行。当時を振り返っての思い出やBlu-ray BOXで描き下ろしたイラストについて訊いた。
■タカトやギルモンらをデザインするうえで意識したことは?
───まず放送当時の思い出やエピソードなど教えていただけますでしょうか?
中鶴
当時は、ひたすらキャラクターを作る事に追われてた記憶があります(笑)。
「画力」より「ネタ(アイデア)」勝負のデザインなので、ネタが底をついて大変でした。
───『デジモンテイマーズ』のデザインをする際に意識されたことはどんなところでしょうか。
中鶴
『デジモン』シリーズの最初から共通している、デフォルメ(誇張)した頭身のフォーマットでデザインしています。手足が大きいデジモンのデザインに合わせて、人間キャラも手足を大きくする体型にデザインしました。
ただそれだと、背景や小道具も考慮しないと、画面がアップになった時に(絵柄が)簡単に破綻してしまうんですね。
今にして思えば無茶でしたが、機会があればもう一度試したい気持ちはあります。
主人公・タカトとそのパートナーであるギルモン
──デジモンのデザインを考慮したうえで、人間キャラクターをデザインされていたということでしょうか?
中鶴
パートナーデジモンと並べた時の対比とか、カラーリングでは配色を考慮しました。でも、それ以外は特に意識しないで描いていました
――関弘美プロデューサーやシリーズ構成の小中千昭さんとどのようなやりとりをしてデザインされたのでしょうか。
中鶴
私はシナリオを読ませていただき、ラフスケッチを描いてから打ち合わせをしたのですが、関プロデューサーはそれを見て、方向を示してくれました。
脚本の小中先生は、来上がったデザインを更にシナリオで膨らませたりしてくださる……そんな感じだったと記憶しています。
シリーズディレクターの貝澤幸男さんは絵が描けて、アイデア力も兼ね備えてる方なのですが、キャラクターデザインに関して、私は自由にやらせてもらえていたのかもしれません。
――タカト、ジェン、ルキのメインキャラクター3人について、それぞれどのようにデザインされていったのか教えてください。
タカト&ジェン
ルキ
中鶴
タカトは主人公として、共通アイテムのゴーグルは装備しつつ、前2作と区別できるよう意識しています。ジェンは眼や眉の感じで、理知的とか冷静な性格が出るように。ルキはヘアスタイルのシルエットから決めていきました。
──『テイマーズ』のキャラクターの中で思い入れのあるキャラクターを教えて下さい。
中鶴
人間キャラではルキ、デジモンではテリアモンでしょうか。テリアモンはパートナーとの絡みなど、楽しく描いてました。それくらい魅力があるキャラだと思います。
テリアモン
■描き下ろしイラストに込めた想いは?
――Blu-ray BOX発売にあたりイラスト3点を描き下ろしされました。まずはこちらの三方背BOXのイラストについてはいかがですか?
中鶴
久しぶりに描かせていただきました。鼻の穴はない方が良いかなと思って、今回のジャケットでは描きませんでした。
──次に、デジスタックのイラストです。2種ありますが、まずDISC1-4を収録するこちらのイラストについてはいかがでしょう? タカト、ルキ、ジェンの3人と、それぞれのパートナーデジモンが描かれています。
中鶴
美術設定にあった公園や遊具が懐かしいなあと思いながら描きました。実際に現地に行って確かめた事はないんですけど、あの公園とか遊具がちゃんと存在するのか気になります(笑)。
――続いて、DISC5-8を収録するこちらのイラストについてはどうでしょうか。究極体のデジモン5体が描かれています。
中鶴
今回描くにあたって数回修正しました。描くのはすごく手間がかかりますけど、究極体は全部、カッコよくて好きでしたね。
───作品の放送から約15年経った今、改めて見てほしいポイントを教えてください。
中鶴
今から見返すと反省点も多々ありますが、好きになってくださって大変ありがたいです。当時はキャラクターを作る事で精一杯でしたが、進化シーンを自分で原画を描いて、タカト達を動かしたのはささやかなこだわりだったのかもしれません。レナモンやテリアモンの進化で、若かりし頃のすしお氏に原画を描いてもらえたのも良い思い出です。
Blu-ray BOXでは、そういったところも注目していただけると嬉しいです。
──最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。
中鶴
放映からかなり年月が経ちましたが、今も好きでいてくださる事に感謝の言葉しかありません。ありがとうございます!
──ありがとうございました。
「デジモンテイマーズBlu-ray BOX」
発売日: 2018年4月3日
価格: 53,800円(税抜)
発・販売元:株式会社ハピネット
特典
【初回生産限定特典】
・新作スペシャルドラマCD(約29分)
【タイトル】デジモンテイマーズ 2018 「Days -情報と非日常-」
【スタッフ】プロデューサー:関 弘美 脚本:小中千昭 演出:貝澤幸男 音響演出:角銅博之
【キャスト】ギルモン:野沢雅子 松田啓人:津村まこと テリアモン:多田 葵 李 健良:山口眞弓 牧野留姫:折笠富美子
加藤樹莉:浅田葉子 山木満雄:千葉進歩 NYX:藤田 咲(友情出演)
【通常特典】
・キャラクターデザイン:中鶴勝祥 新規描き下ろし三方背アートBOX
・キャラクターデザイン:中鶴勝祥 新規描き下ろしデジスタックケース2種
・スペシャルブックレット
(07年4月発売のDVD-BOX「デジモン クロニクル ボックス02 デジモンテイマーズ」に封入されていた2冊のブックレット、
「Memories of Our DIGIMON TAMERS」「デジモンテイマーズ ~CARD EVOLUTION~」をもとに再編集したものです)
・ピクチャーレーベル
【映像特典】
・ノンクレジットOP、ノンクレジットED
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