東京ニュース通信社が主催する脚本賞『第36回向田邦子賞』の受賞者が発表された。
『第36回向田邦子賞』に輝いたのはバカリズム。受賞作は、昨年4月から6月にかけて日本テレビで放送された『架空OL日記』となる。『架空OL日記』はバカリズムが架空のOLとして書き綴っていたブログをもとにした作品で、バカリズム自身が主演を務め、夏帆、臼田あさ美、佐藤玲、山田真歩らが共演した。
授賞理由は、「『架空OL日記』は、OL達の私的な会話をスケッチしたセリフ劇である。更衣室の壊れたハロゲンヒーターについて、連句風にえんえんと続くOL達の会話は実に無意味でリアルで可笑しさに溢れている。しかし、リアリティに満ちた彼女達の会話はすべて虚構であるという作者の嘯きが題名の『架空』という文字から見えてくる。この見事に作られたセリフ群が示す才気に対し向田邦子賞を贈る」と説明されている。
バカリズムは「素晴らしい賞に選んでいただき、大変光栄です。この作品は出演者でもあったので、撮影をしながら控え室で次回の脚本を直すというなかなか忙しい現場でしたが、楽しんで書くことができました。今後もいろいろな作品に挑戦したいと思います」とコメント。授賞式は5月29日に東京・日比谷の帝国ホテル「光の間」で開催される。
『向田邦子賞』はテレビ界を支える優秀な脚本家に贈られる賞として1982年に創設。前年度に放送されたテレビドラマの脚本が対象となる。選考委員は池端俊策、冨川元文、大石静、岡田惠和、井上由美子。