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F1オーストラリアGP技術解説(2):マクラーレンがエンジンカウルに施したささやかな熱対策

2018年04月03日 07:41  AUTOSPORT web

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F1オーストラリアGP技術解説(2)
F1の開発はとどまるところをしらず、毎グランプリ、新しいパーツが導入されている。F1iのテクニカルエキスパート、ニコラス・カーペンティアーズが週末に見つけた注目のアイテムを紹介、分析する。
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(1)メルセデスの『オイル蒸気』の逃がし方

 冬のバルセロナテストでは、ピットレーンでフェラーリのマシンリヤから噴き上がる大量の白煙が話題になっていた。オイルを燃焼させることでエキストラパワーを得ることがレギュレーションで禁止され、余分なオイル蒸気を逃すことが義務づけられた。その煙だったのである。

 フェラーリほど目立っていなかったが、実はメルセデスにも同様のデバイスが装着されている。ただしバルセロナでのそれは、メルセデスらしからぬやっつけ仕事感の大きい樹脂製パイプだった。それがメルボルンでは、カーボン製のかちっとした仕上がりのパイプに交換されていた。

 フェラーリのSF71Hでは、クラッシャブルストラクチャーの後端から蒸気を逃がすようになっている。対するメルセデスは、あえて排気管のすぐ脇を通すレイアウト。高熱の排ガスで、オイルの気化を促進させる意図が見て取れる。一方フォースインディアのそれは同じカーボン製ながらギアボックス脇を通し、より短くなっている。

(2)ハロを有効活用

 ハロ導入は技術者たちに余分な苦労を強いたが、空力以外でもこのデバイスを利用してやろうというアイデアが出てきつつある。メルセデスのデザイナーたちはハロの後端が固定されるボディワークに開口部を設け、排熱の工夫を凝らしている。
 
(3)マクラーレンの熱処理

 開幕戦に大きな空力アップデートが投入されると言われていたマクラーレンだが(空力責任者のピーター・プロドロモウ自身が、そう言明していた)、登場したのはバルセロナテストで冷却用に大急ぎで開けたカウルの穴を、見栄えをよくしたものだけだった。

 4ヶ所開けた臨時の穴は3ヶ所に減らし(黄色矢印)、もともとのダクトはデザイン変更し位置も変えている(白矢印)。そしてカウル後部は、黒いペイント処理が施された。
    
(4)羽根の生えたマクラーレン

 外から見えるそれ以外のアップデートは、エンジンカウル両端の左右のミニウイングぐらいだろうか。ここはバルセロナテストでは、ガーニーフラップが取り付けられていた。