F1の開発はとどまるところをしらず、毎グランプリ、新しいパーツが導入されている。F1iのテクニカルエキスパート、ニコラス・カーペンティアーズが週末に見つけた注目のアイテムを紹介、分析する。
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(1)試行錯誤中のフェラーリ
開幕戦を制したフェラーリ。しかしSF71Hの真の戦闘力に関しては、チーム自身もまだ完全には理解し切れていないようだ。それもあったのだろうセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンは初日フリー走行に2種類のフロントウイングを何度も取り換えながら、性能確認をしていた。ひとつは昨年のマクラーレンを模倣し、バルセロナテストでも使用したもの。もうひとつは、昨年型だった。それぞれの矢印で示したように、変更点は多岐にわたる。
SF71Hは外観こそ昨年型に似ているが、大きく伸ばしたホイールベース、そして異なるデザインを採用したフロントウイングなど、開発コンセプトは大きく変わったと言っていい。その中でもフロントウイングは最初に気流が当たり、それがマシン後部へとスムーズに流れていくための、非常に重要なパーツである。
レース後のベッテルは、「まだマシン挙動には満足できない。望まない場所で不用意にスライドしたりしてたしね」と、まだ完全に信頼して攻め切れるまでには、マシンは仕上がっていないようだ。
(2)レッドブル風ディフューザー
メルボルンでのフェラーリはディフューザー両端の内側に、ベロ状のパーツを追加していた。明らかに去年のレッドブルRB14の影響を受けたものである。
(3)ミラーにひと工夫を加えたレッドブル
メルボルンに投入したミラーは、かなり空力を意識したデザインになっていた。形状が大きく変わり、コクピットからさらに離れ、ほとんどサイドポッド開口部の前に位置している。
(4)ルノーに新たなミニTウイング
ルノーはフリー走行で試したミニTウイングを、レースではカルロス・サインツJr.車だけに搭載した。ザウバーも土曜日にミニTウイングを投入しているが、こちらは二重構造になっている。
今季の技術規約変更で、Tウイング自体は禁止された。しかし3条5項1の条文のあやふやな部分を突いて、チームはミニTウイングに活路を見いだそうとしている。去年までのTウイングに比べると限定的とはいえ、マシン上部の気流を下部に流し、ディフューザーの性能をより最適化させる効果はあるようだ。