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永野芽郁×子役・矢崎由紗の笑顔に注目! 『半分、青い。』第1週見どころを紹介

2018年04月01日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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「永野さんは大スターになる」


 上記は、1月に行われた記者会見の席で、本作の主人公・楡野鈴愛の幼馴染・律役の佐藤健が述べた言葉だが、その言葉が大袈裟ではないと思えるほど、鈴愛を演じる永野芽郁の魅力が溢れ出ているのが、4月2日より放送が始まるNHK連続テレビ小説第98作目『半分、青い。』だ。


 岐阜と東京を舞台に、ちょっとうかつだけれど失敗を恐れないヒロインが、1970年代から現代までを駆け抜け、やがて“一大発明”をなしとげるまでの半世紀におよぶ物語が描かれる。一足先に視聴した第1週放送分から、注目ポイントを紹介したい。


●永野芽郁×矢崎由沙のシンクロ
 前作『わろてんか』もそうだったように、ヒロインの幼少期から高齢期までが描かれるのが朝ドラの定番となっているが、本作ではまさかの“胎児期”から物語が始まる。家族で食堂を営む楡野晴(松雪泰子)と楡野宇太郎(滝藤賢一)夫婦のもとに誕生するのが主人公・鈴愛だ。第1週では、永野の登場シーンは第1話のワンシーンのみになるのだが、胎児のナレーションという形で存在感を発揮。“胎児の声”という難役でありながら、永野の声に宿る真っ直ぐさとひたむきさによって、違和感なく作品に溶け込ませている。星野源の楽曲「アイデア」が流れるタイトルバックも、「何度でも観たい」と思わせるほど永野が輝いており、その笑顔に虜になってしまう視聴者は多いことだろう。


 第4話より、鈴愛の小学3年生期を演じる矢崎由紗が登場。“天真爛漫”という言葉を具現化したかのように、物語の舞台となるふくろう商店街を所狭しと動き回る。幼少期の鈴愛役はオーディションを何度も重ね、熟考の上に矢崎を選んだそうだが、一番の決め手は永野との“シンクロ率”だったという。特に演出の指示を出しているわけではないのに、鈴愛の笑い方や立ち居振る舞いが永野に酷似していたそうだ。永野同様、周囲の人物を思わず笑顔にしてしまう魅力が矢崎にもある。第1週の最後、父役の滝藤、母役の松雪と布団で戯れるシーンには、これ以上ないほどの多幸感が詰まっているので、ぜひ注目してほしい。


●70~80年代の彩り
 ふくろう商店街を彩る看板、街を行き来する乗り物、テレビから流れる歌謡曲、70~80年代を切り取ったアイテムがあちこちに登場するのも見どころのひとつ。特に第1話~3話まで実質上の主役となる「ハルさん」こと楡野晴を演じる松雪、「ウーちゃん」こと楡野宇太郎を演じる滝藤、ふたりの衣装に懐かしさを感じる世代も多いのでは。個性派俳優として名を馳せる滝藤の“ロン毛”姿も、思わぬハマりっぷりを見せてくれている。


 主人公・鈴愛と同じ日に生まれた幼馴染・萩尾律の両親を演じるのが、谷原章介と原田知世。食堂を営む“庶民派”の楡野家とは対照的に、萩尾家は写真店を営む“エリート派”。両家の対立構造が生まれそうな設定ではあるが、その子供である鈴愛と律は仲がよく、萩尾家の母・和子を演じる原田が、ふわふわした柔らかさで作品を包み込んでいる。1983年公開映画『時をかける少女』で一世を風靡した原田が、1980年代を舞台に母親役を演じている姿に、感慨深い思いを抱く視聴者も多いのではないだろうか。


●『半分、青い。』の意味とは
 本作の脚本を務めるのは、『愛していると言ってくれ』(TBS系)、『ロングバケーション』(フジテレビ系)、『ビューティフルライフ』(TBS系)、『オレンジデイズ』(TBS系)などを手掛け、“恋愛の神様”とも呼ばれた北川悦吏子。独特の句読点の使い方や、各キャラクターの人物背景、その登場人物たちが織りなすドラマに、出演者陣からも絶賛の言葉が寄せられている。「朝ドラに革命を起こす」と北川は制作発表の席でもコメントしていたが、その言葉通り、第1週からこれまでのどの朝ドラにもない“北川ワールド”が繰り広げられている。


 タイトルの『半分、青い。』は、数年前に自身が片耳を失聴したことがきっかけだという。「片耳の聞こえない少女が、雨がやんだとき、青空を見上げ、『半分、青い』とつぶやくシーンが頭に浮かんだ」(『半分、青い。』オフィシャルブックより)。完全ではない「半分」だからこそ、他者が気付くことのできない発見や、他者と一緒に乗り越えていくきっかけがそこにはある。北川がタイトルに込めた本作の思いを、永野がどれだけ具現化していくのか。(石井達也)