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銀行が“朝活”プロジェクト開始 iDeCoを学び、年間8万円の節税に驚く参加者も

2018年03月30日 14:32  Techinsight Japan

Techinsight Japan

3月14日に開催されたみずほ銀行の朝活プロジェクト第1回目
朝の時間を有効活用して、勉強や趣味、交流などの活動にあてる「朝活」。朝活としてヨガや読書などをすることで、一日を心身ともにリフレッシュして始められると聞く。その朝活をこのたび、みずほ銀行がスタートさせた。初回は朝7時からの会場オープンにもかかわらず、60席ほど用意された席はすぐに満員になるほど盛況だったという。

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みずほ銀行が主催する、人生設計とライフスタイルを考える“朝活”プロジェクト。第1回目は3月14日に東京・大手町ファーストスクエアカンファレンスにて開催された。初回のテーマは、今話題の「iDeCo(個人型確定拠出年金)」だ。参加者は朝食をとりながらiDeCoについて学び、全員がiDeCoによる税金の軽減を実感した。


iDeCoは、国の年金とは異なり、自分で積み立てて、自分で運用先を決めることができるもの。投資信託だけでなく定期預金も選ぶことができ、運用経験がない人も加入しやすくなっている。なおかつ積み立てるときは、税控除が受けられる。この日は参加者全員で節税シミュレーションを実施したが、会社員の場合には年間1万円~8万円程度、税金が軽くなるという結果が出た。


広告代理店の会社員は「これまで月2万円程度を貯金してきましたが、これをiDeCoで積み立てることで、私の場合、年間8万2800円も税金が軽くなることがわかりました。これは大きいですね」と驚いた。また育児をしながら仕事をしているという女性は「主婦やパートでも加入できるのがいいですね。出産や育児のため仕事を辞めてもそのまま続けられるし、この年金は自分の年金なので夫とは関係なくもらえるわけですからね」と女性目線でメリットを話した。

当日、講師を務めたNPO法人確定拠出年金教育協会の大江氏によると「老後のための資産形成は“自動引落”等の仕組みを使って無理なく積立投資をするのが最適です。特にiDeCoは、積み立てているときから税制上の優遇もあり、10年、20年という長いスパンで考えると大きな効果になります。原則60歳まで引き出せないことが注意点ですが、逆に考えると、だからこそ老後の資金をしっかりと準備することができるとも言えます」と語る。


ちなみにこの“朝活”プロジェクトを牽引するのは、みずほ銀行の若手社員たちだ。プロジェクトリーダーの林さんは「『支店未満、ネット以上の場をつくりたい』というのが、そもそもの目的でした。お客さまにヒアリングしてみると、いきなり支店に足を運んで相談するのは、敷居が高い。でもインターネットを使って自分で調べるだけではよくわからない―という思いがあることがわかりました。加えて、20代~50代の働いている世代は、相談したいと思っても銀行の窓口が開いている時間にご来店の時間を作るのも簡単ではありません」と気軽に参加できる銀行とのコミュニケーションの場として“朝活”プロジェクトを始めたという。

初回の賑わいぶりからも、銀行による朝活勉強会は需要があるようだ。朝活に参加した40代の男性は「ここ数年で、iDeCo以外にも、住宅ローン控除、つみたてNISA、保険、ふるさと納税、相続対策など、毎年のように新しい制度やルールが生まれ、個人が情報収集するのはなかなか大変です」と口にした。いきなり銀行の窓口に相談に行くのは気が引けるという人も、朝活ならば参加しやすそうだ。知らないでは勿体ない情報が入手できるチャンスかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 高沢みはる)