是枝裕和監督の新作映画『万引き家族』の場面写真が公開された。
公開された場面写真では、リリー・フランキー演じる治と、城桧吏演じる息子の祥太が足りない生活費を万引きで稼ごうとスーパーに出向く様子や、安藤サクラ演じる信代が佐々木みゆ演じるじゅりを抱きしめる場面、松岡茉優演じる亜紀と樹木希林演じる初枝の姿、治と信代とじゅりが川の字に寝そべるシーンなどが確認できる。
是枝監督は『そして父になる』でリリーが扮した電気店を営む父親役のイメージが大きかったといい、「あんなリリーさんをもう一回撮ってみたいと思いました。人間の中にあるちょっとした悪い部分、駄目な部分を表現するのが、リリーさんはすごく上手なんですよね」とコメント。
リリー演じる治の妻・信代役の安藤の起用については、「想像をはるかに超えて素晴らしかったので、どんな理由で彼女にオファーしたのか、もはや思い出せないんです。彼女でなければどうなっていたんだろうと思うくらい、本当に素晴らしかった」と語っている。
安藤と同じく是枝作品に初参加で、信代の妹・亜紀役を演じた松岡については、松岡の出演作を観てきた是枝監督が、当初想定していたキャラクターの設定も含め、松岡にあわせて脚本を書き直したという。樹木が演じた祖母・初枝もあて書きとなり、「初めから樹木さんを想定して脚本を書いているので、樹木さん以外にはできない役柄」と断言。
治の息子・祥太を演じる城、治に拾われてきたじゅりを演じる佐々木は、オーディションによって選出。撮影現場では、是枝監督の演出方法として知られる、子役には台本を渡さずに口立てで演出するという手法が採られた。是枝監督は「どんなやり方がフィットするのか、演出の仕方はひとりひとり異なります。だから子どもへの演出はメソッドとして確立できないんですよね」と明かしている。
6月8日から公開される同作は、東京の下町を舞台に「万引き」で生計を立てる一家を描く物語。ある日、団地の廊下で震えていたじゅりを治が家に連れて帰り、娘として育てることを決意するが、ある事件をきっかけに家族が引き裂かれ、それぞれが抱えていた秘密や願いが明らかになっていく、というあらすじだ。