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「社会保険に入れなかった」「歩合になると休んだら給料ダウン」 美容師のハードな労働環境

2018年03月30日 07:11  キャリコネニュース

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これまでキャリコネニュースでは様々な有名企業で働いてきた人たちの口コミを紹介してきたが、当記事では職種ごとに限定し口コミを紹介していきたい。

今回取り上げるのは、ヘアスタイルに関するサービスを中心に提供している美容師たちの口コミだ。

美容室のほか結婚式場やエステティックサロン、テレビ局、雑誌の撮影など美容師の活躍の場は広く、腕を磨けば独立開業も可能。毎年行われている第一生命保険の「小学生のなりたい職業ランキング」などでも、特に女子の人気職種としてトップ10にランクインすることも多い。

美容室は普段の生活でも身近なサービスだが、美容師たちを取り巻く労働環境はどのようなものか。キャリコネに寄せられた口コミを紹介していこう。

「土日は絶対休めない」「サービス残業は当たり前」

新人美容師たちは見習/アシスタントとして各店舗に入店。まずは一人前のスタイリストになるべく、入社後数年は自主練習の為に営業前や営業後に時間を作って、研鑽を積むことになる。

「新卒ですとデビューするまでに5年弱かかるのが一般的です。デビューするまでも道のりが長いです。休みはあっても撮影が入ったりします。美容師生活にすべてをかけて入社する必要があるので本気でないと続きませんし、厳しい世界です」(美容関連職 20代後半 女性 200万円)
「平均で4年弱でスタイリストになる人が多かったように思います。自主練習の間は給料が発生しないので、今思えばサービス残業に近かったのではないかと思います。それでも、自分の為に居残りして練習に付き合ってくれる先輩がいるので恵まれていたなと思います。週休2日で有休も申請すれば取れました」(美容関連職 20代後半 女性 320万円)

スタイリストとしてひとり立ちしてからは、個人の創意工夫でどれだけのお客さんを獲得できるかが大切になる。

有休の取りやすさなどは会社や店舗の状況によっても変わるようだが、店長など管理職もサロンワークを行うことは珍しくない。基本的にはキャリアアップするほど仕事量や責任は増し、「仕事量のわりに給料は見あってなかった」(その他 30代前半 女性 250万円)といった内容の口コミが多かった。

「週休2日を謳ってるし、夏期休暇も一週間位はとれる。ただ、スタイリストは歩合になると休んだ分だけ給料は下がりやすい。店長クラスになると会議などで営業以外の部分で拘束時間が伸びる。休日出勤させられることはほぼ無いのでプライベートの時間は確保出来る」(その他 30代後半 男性 400万円)
「帰宅時間は22時確実に回ります。技術職なので練習時間に残業代は出ません。+朝9~10時には出勤。休日には講習会などに時間を取られる事もあり、もちろん講習会の参加費など自己負担の場合が多いです」(美容関連職 20代後半 女性 200万円)
「土日は絶対休めないし、有休なんてもってのほか。ボーナスもないし、サービス残業は毎日当たり前。休みの日も講習やミーティングで休めない…もちろん休日出勤手当などありません。美容師の世界なら普通のことだと思いますが、他の職種の一般の企業に比べると待遇は全然よくないです」(その他 20代前半 女性 170万円)

「正社員扱いですが、アルバイトのようなものでした」

美容師として働く女性も多いだけに、出産・育児などの環境は比較的整った職場が多いようだ。復帰もしやすく、男女関係なく管理職になれる可能性はある。しかし、それ以外の福利厚生など待遇に関しては、全体的に厳しい評価が目立った。

「求人には夏季・冬季休暇、有給休暇、残業手当などの記載があったが、実際上このような休暇は存在せず、シフト以外の休みを取ると減給となり、残業手当はみなし残業代の支給で何時間残っても額の変動はない」(その他 20代前半 男性 180万円)
「社会保険完備と求人で拝見して入社しましたが、地域限定雇用の場合社会保険には入れないと言われ雇用保険と労災保険のみでした。正社員扱いですが、アルバイトのようなものでした。定休日以外の休みはないまたは定休日以外に1、2日程度の休日で、定休日に講習があるなど労働時間も長く休みもあってないようなもの」(美容関連職 10代後半 女性 180万円)

一方、大手美容室の従業員からは「保険、健康診断、講習なんかもしっかりしています。退職者があまりでないようにカウンセラーがいたりで考えてくれています。もし人間関係が嫌になったら他店に移動もできます」(その他 20代後半 女性 250万円)といった声もあった。

想像以上に体育会系な美容師たちの世界だが、少しずつ働きやすい職場も増えているのかもしれない