ランスタッドは3月28日、「結婚後の職場での姓(名字)使用に関する調査」の結果を発表した。調査は今年の3月にインターネットで実施し、20~69歳の正社員、契約社員、公務員、団体職員1800人から回答を得た。
既婚女性に職場で使用する名字について聞くと、「結婚して姓が変わり、職場でもその姓を使っている」と回答した人は77.4%。女性が新姓を使っている理由を聞くと「それが通例であると思うから」(46.2%)が最も多い。
旧姓使用があまり認められていない職場「医療、福祉」「金融業、保険業」
また「結婚して性が変わったが職場では旧姓を使っている」は16.7%。旧姓を利用する理由は「業務上変えるのが大変だから」(50.9%)、「姓を変える手続きが面倒だから」(35.1%)が多く、業務上の不便さ、申請手続きの煩雑さが浮き彫りとなった。
現在の職場で「結婚後の旧姓使用は認められているか」を聞くと、約半数が「認められている」(49.6%)と回答した。しかし「認められていない」職場も11.8%ある。
旧姓使用が認められている割合が高い業種の1位は「卸売業、小売業」。2位「教育学習支援業」、3位「情報通信業」と続く。一方、割合が低い業種は「医療、福祉」「金融業、保険業」「公務」となった。
既婚男性に妻の職場での旧姓使用について聞くと「賛成」が29.2%で、「反対」は13.0%となった。賛成派の理由としては約半数が「旧姓のままでないと不便に感じるから」(48.1%)と回答している。一方、反対派は「夫婦で同性にするのが通例だと思うから」(67.0%)が多い。
「婚前と同一人物として見られない状況が起きている」
未婚女性に、結婚後は旧姓・新姓どちらを使うかを聞くと、「姓が変わり、職場でもその姓を使うようになる」(30.9%)が「姓は変わるが職場では結婚前の姓を使い続ける」(22.2%)を上回った。
新姓を使う理由は、既婚女性同様に「通例だと思う」(52.8%)が最多だが「夫の姓を使いたいから」(42.5%)という人も多い。一方、旧姓派は「業務上姓を変えるのが大変そうだから」(60.5%)が多く、職場での実情を見て手続きの煩雑さを懸念する人が多かった。
同社リサーチインスティテュートの中山悟朗所長は、日本は学校や職場など公的な場で姓を使用することが一般的として「ビジネスに限らず様々な場面で婚前と同一人物として見られない状況が起きていることが想像できます」とし、
「一億総活躍社会を受けて婚姻後も働き続ける女性は増加傾向で、それに合わせ旧姓使用ニーズも高まる見込みです」
とコメントしている。