WEC世界耐久選手権に参戦するアストンマーチン・レーシング(AMR)のチーム代表ポール・ハワースは、オフシーズンテストの結果から、2018/19年シーズンに投入する新型アストンマーチン・バンテージGTEがデビューから充分なペースを発揮できるはずだと自信をみせた。
AMRはル・マン24時間耐久レースで複数回クラス優勝を飾るなど、チーム史上もっとも華々しい成功を収めてきた旧型V8バンテージに代わる新型マシンを開発。2018/19年のWECスーパーシーズンから投入するべく開発を進めてきた。
2017年の10月以降、この新型バンテージGTEはセブリングやナバラ・サーキット、アラゴン、ヤス・マリーナ・サーキットなどで計1万2000マイル(約1万9300キロ)を走破している。
マシンの心臓部を司る4リッターのV8ツインターボエンジンはイングランド・オックスフォードシャーに拠点を持つプロドライブが製作。マシンの足元を支えるのはダンロップタイヤからミシュランタイヤに変更されている。
ハワースはこれまでのテスト走行でみせた信頼性があれば、5月に控えたスーパーシーズン開幕戦でも、すぐさま優勝争いに加われると意気込んだ。
「テスト走行の結果を受けて、我々のテクニカルチームは大きな自信を得た」とハワース。
「シーズン開幕前、我々はつねにマシンの弱点を探す。いかに良くデザインされていようが、マシンにはなにかしら弱点が見つかるものだ。しかし、我々のマシンパッケージは高い信頼性を有していると自信を持っている」
「18カ月に渡るデザイン作業はマシンのあらゆるコンポーネントに及んだ。加えて、(11月にテストが行われた)セブリングや30時間の耐久テストなどで、すべてのパーツに対し厳格なテストプロセスが行われてきた」
「シーズン開幕戦のスパはもちろん、その先に待つル・マン24時間まで、マシンの改良を続けていく」
■「ミシュランからは膨大かつ綿密なフィードバック」
この2年間、チームはダンロップユーザーとしてWECを戦ってきたが、このスーパーシーズンからはシリーズ参戦4年目までタッグを組んできたミシュランへスイッチする。
ミシュランへの復帰を決定して以来、AMRとミシュランは共同でマシンセッティングに取り組んでおり、ハワードはミシュランの姿勢に感銘を受けたという。
「ミシュランとの作業はすべてが順調だ。テスト期間中は多くの議論が行われたし、あらゆるレベルで技術サポートを得られている」
「分析に基づいたアプローチによる、膨大かつ綿密なフィードバックを得られている。あらゆるものが信じられない細かさでレポートされているのだ」
アストンマーチンがミシュランタイヤにスイッチしたことで、LM-GTEプロクラスに参戦する4メーカーは、すべてミシュランユーザーとなる。チームは、全車がミシュランを装着する点も、すでに実戦経験があるライバルに追いつける要因だとしている。
目標とするリザルトについて、ハワースは明言を避けたものの、これまで苦戦を強いられてきたスパでクラス4位以内に入ることができれば上出来だと示唆している。