2018年03月28日 10:12 弁護士ドットコム
結婚してから4年間、夫の「モラハラ、性的DVに耐えてきました」という人が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに質問を寄せた。「精神的、肉体も限界」なので、離婚して慰謝料を請求したいのだという。
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相談者の夫は、同僚女性の写真を社内データから抜き取り、アイコラにして所持していたそうだ。そこで、相談者が「やめてほしい」と伝えたところ、夫に逆ギレされた。相談者は性的DVも受けており、精神的にも身体的にも苦痛を受けている状況だ。
相談者は、録音データや自分がつけてきた記録、大量のアイコラの写真、検索履歴の写真を証拠として握っている。そこで、慰謝料をもらって離婚するのが希望だ。。このようなケースで慰謝料はもらえるのか。大和幸四郎弁護士に聞いた。
「相談を寄せた女性は、夫から慰謝料をもらった上で離婚したいのですね。結論から言えば、離婚とともに慰謝料請求できる可能性はあります。
率直に言って、今回、回答を考えるのに苦労しました。裁判例も調べましたが、相談者と同じケースは見当たりませんので、あくまで私見として読んでいただければと思います」
では、なぜ浮気でもない今回のケースで、慰謝料請求は可能なのか。
「法的に検討する項目として、2点あります。
まず、1点目は、性的DVがあるとのこと。その程度については相談内容からわかりませんでしたが、性的DV、つまり肉体関係を強要する性的な暴力は、夫婦間でも成立することが認められています。慰謝料請求自体は可能です。ただ、性的DVについては立証が難しく、相手から反論された場合には証明する難しさもあります。
2点目が、同僚女性の『アイコラ』を大量作成して所持していたことをめぐるトラブルについてです。
夫に何度も『やめてほしい』と訴えたのに逆ギレされるなど、いわゆる『モラハラ』が認められれば、慰謝料請求できる可能性があります」
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
大和 幸四郎(やまと・こうしろう)弁護士
佐賀県弁護士会。2010年4月~2012年3月、佐賀県弁護士会・消費者問題対策委員会委員長。元佐賀大学客員教授。借金問題、刑事・男女問題など実績多数。
事務所名:武雄法律事務所
事務所URL:http://www.takeohouritu.jp/