2018年、浦本修充が海外のレースシリーズにフル参戦を開始する。2017年まで9年間にわたり全日本ロードレース選手権を舞台に活躍してきた23歳の若武者が、満を持して主戦場を海外に移したのだ。浦本はこの2018年について、「ライダー人生に関わってくる重要な年」だと位置付ける。
浦本が2018年シーズンに参戦するのはRFMEスペイン選手権のSUPER STOCK1000クラス。全6大会8レースで争われるレースシリーズだ。浦本は2016年に全日本J-GP2クラスでチャンピオンを獲得。翌2017年には全日本最高峰クラスであるJSB1000にスズキのプライベーター、チームカガヤマから参戦していた。
そのかたわら、2016年はCEV レプソルスーパーバイク欧州選手権、2017年にはCEV RFMEスペイン選手権にスポット参戦し、最高位4位入賞。また、2016年にはMotoGP第15戦日本GPでMoto2クラスにワイルドカード参戦も果たし、全日本とともに海外のレースシリーズの経験も着実に積んできた。
「2016年、2017年とスポットで参戦して、(RFMEスペイン選手権などの)レベルの高さは感じました。もちろん、全日本のレベルも高いとは思っていますし激戦が繰り広げられていますから、全日本に出たい気持ちもあったんですけどね」
そのRFMEスペイン選手権の雰囲気について、浦本はMoto2に通ずるものを感じているようだ。
「1周目の激戦やガチガチ・バチバチ当たってきたり、隙間あれば入ってくる感じだったり、そういったところがMoto2に似ていますね。ただ、Moto2と違うなと思うのは、上位陣と後ろの方のライダーとの間に、少し差があるというところ。上の方のライダー達は、すごく世界に近い走りをしてると思います」
自身初の海外選手権フル参戦。「すごく楽しみでもあるし、ちょっとした不安もあります」と正直に胸中を吐露する。
「でも、今年はシーズンオフに関しても、自分でできることはやってきたつもりです。これからもシーズンインまでまだ時間はあるので精一杯やりたいと思ってるので、新しいこと、新しい走りをして少しでも早く選手権で優勝、表彰台を獲得したいと思っています」
浦本が参戦するクラスはマシンの改造範囲が狭いSUPER STOCK1000。スズキGSX-R1000での戦いとなるが、上位を争うためにはライダーとチーム力の影響が大きいと考えているという。
そうなると気になるのが所属するチームだろう。2018年に浦本が籍を置くのは、『Team SUZUKI JEG/KAGAYAMA Racing』。スペインのバレンシアに拠点を置く『JEG Racing』とチームカガヤマのコラボレーションチームだ。
「チームの雰囲気はすごくいいですね。チーム自体には2016年、2017年のスポット参戦で所属したチームですごく親しみやすいです。そのあたりは、心配していないですよ」
RFMEスペイン選手権で注目を浴びるような成績を残して、その先の世界選手権につなげたい──、そう将来の展望を語る浦本は、最後にこう意気込んだ。
「僕のライダー人生で初の海外選手権フル参戦ですし、今後の自分のライダー人生に大きく関わってくる年だと思います。今年はすごく重要な年なので一日たりとも気を抜かずいくつもりです。とにかくレースに集中して365日レースのことを考え続け、何が何でも成績を残して先につなげたいなと強く思っていますね。開幕戦からガンガン行きたいと思っています」
2018年は浦本にとって新たな挑戦の年であるとともに、大きな意味を持つシーズンになるかもしれない。4月8日に行われるRFMEスペイン選手権開幕戦で、浦本が新しい第1歩を踏み出す。