十分な貯蓄ができたら、定年を待たずに会社を退職し、悠々自適な毎日を送ってみたい……。そんな"リタイア生活"を夢見たことのある社会人は多いだろう。
今年2月、はてな匿名ダイアリーに「40手前で5000万貯まった」という記事が投稿された。投稿者は独身で、「もう引退したい。何もしたくない。会社勤めたくない」とつづっており、
「できれば起業して一日4時間ぐらいで働きたい」
と所望している。(文:城ヶ崎ゼウス)
貯蓄5000万だとリタイアには足りない? 「5倍は必要」の声
この記事に対し、はてなユーザーからは「すごい」「羨ましい」といったコメントがあった一方で、
「その少ない金額で引退できるの?」「5000万じゃ足りない」
「30代でアーリーリタイアならこの5倍は必要」
など、リタイアするには貯蓄額が不足しているという意見が多かった。
たしかに残りの人生が40年だと仮定すると、5000万円の貯蓄のうち1年間に使える金額は125万円、1ヶ月に約10万円という計算になる。年金が貰えることを考慮しても、貯蓄のみで生活していくにはやや心もとない金額だ。
しかし、「それくらいの額でもアーリーリタイアしてる人結構いるよ」という声もあり、
「一人暮らしなら週3日で1日4時間とかの最低賃金のパートしながら半リタイアできる程度の額ではある」
「養う家族がおらず予定もなく、本人も低コスト体質ならセミリタイアくらいならできるんじゃないか」
など、セミリタイアなら十分に可能であるという意見も少なからず見受けられた。
「起業すると今より働くことになるので、アルバイトの方がいい」
また、投稿者の「起業したい」というコメントについて、
「起業したら逆に軌道に乗るまでクソ忙しい」「起業して4時間は14時間の間違いになる」
など、結果的には会社勤めをするより多忙になってしまうのではないかと懸念する声もあった。
記事の中に書かれている通り、投稿者が「何もしたくない」と感じているのであれば、起業するよりも短時間のアルバイトをした方がいいと勧めるユーザーもおり、
「起業してうまく行っちゃうと今よりもっと働くことになるので、むしろパートやアルバイトの方がいいのでは?」
「一日4時間のバイトでも深夜なら5~6千円稼げる」
といったアドバイスが寄せられていた。
年齢が40歳手前、貯蓄額が5000万円という状況でリタイアを選択することは現実的に難しいのかもしれないが、投稿者のように自分に合った働き方を模索することは、キャリアプランを構築する上で重要なこと。仕事漬けの毎日に疲れてしまった人は、これから自分がどのようなキャリアを送りたいのか、一度ゆっくり考えてみても良いのかもしれない。