2018年のWorldRX世界ラリークロス選手権に参戦するEKSアウディスポーツは3月26日、イギリス・シルバーストンで2018年型アウディS1 EKS RXクアトロを公開した。
EKSは2014年にマティアス・エクストロームが立ち上げたラリークロスチーム。2016年にはダブルタイトル獲得を成し遂げたほか、2017年はアウディから支援を受けてシリーズ4勝を挙げた。
迎える2018年シーズン、アウディはチームへの支援を強化。これまではマシン開発やテストなどでのサポートがメインだったが、2018年は新型車両を投じるとともに、新たな空力パッケージを提供するほか、アウディのスタッフがシリーズ全戦に帯同し、エンジンの保守点検を行うという。
アウディスポーツ代表のディーター・ガスは、シリーズが2020年にフル電動化される予定であることを挙げ、「電気自動車投入が計画されていることが、我々がシリーズへの関与を強めている理由のひとつだ」としている。
EKSアウディスポーツのドライバーは、2017年限りでDTMドイツツーリングカー選手権を引退したエクストロームと、今年チームへ加入した若手アンドレアス・バッケルドのふたり。エクストロームは「アウディからの支援強化は、勝利はもちろんダブルタイトル獲得にもつながる」と自信を示した。
「また、僕たちはこの4年間、ほぼ同じマシンを使ってきた。今シーズンは“第2世代”とも呼べる新型アウディS1を2台投入できるんだ」
「ひと目見ただけで、エアロダイナミクスが強化されていることは分かるだろう。ただ、マシンの内側にもしっかり手を入れている。去年は狩られる立場だったけど、今年はハンターとして暴れまわりたい」
「また、今年はラリークロスにだけ集中できる。これまではDTMと“二足のわらじ”で苦労していた部分も多かったからね」
すでに、この新型アウディS1をドライブしているバッケルドは「ここ数週間は新型アウディS1 EKS RXクアトロに慣れることだけ考えていたけど、いつもより短時間で習熟できた」としている。
「マシンへの第一印象はポジティブなものだったし、チームが本当に細かなところまで注意を払っていたことに感銘を受けた。マティアスはドライバーとしても素晴らしいけど、技術面にも精通しているんだ」
「彼からいろいろなことを吸収したいし、早くチームに貢献できるようになりたいね」
2018年のWorldRXは4月14~15日、スペイン・バルセロナで開幕する。