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エクレストン、“標準以上の安全性”を持つF1マシンに懸念「リスクが減るとファンは魅力を感じない」

2018年03月27日 07:51  AUTOSPORT web

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元F1最高権威者のエクレストンも、ハロには異論を唱えている
F1の元最高権威者バーニー・エクレストンは、F1における安全性の追求はドライバーの栄光とオーラを損ね、彼らに対する観衆の印象を変えてしまっていると考えている。

 F1は、リバティメディアとFIAによる運営のもとで、現代的な社会および環境規範に合致するよう、導かれつつある。

 昨年初頭に職務を退いて以来は外部よりF1を見守っているエクレストンによると、F1の段階的な変化が、ファンにとっての魅力の大部分をグランプリレースから削いでしまっているという。

「昨年、私はリスクの概念についてセバスチャン(・ベッテル)およびルイス(・ハミルトン)と話をした」とエクレストンはベルギーの日刊紙Le Soirに述べた。

「彼らのことを過激な人間だと思ってはいけない。特に、今や父親となったセバスチャンはそうではない。だがふたりとも、自分は平均的な人間が決してできないことをやっていると感じていると私に話した。それこそが彼らが称賛を受けている理由だ」

「サーカスの軽業師の綱渡りを見るといい。地面からずっと高い所の綱の上を歩いて、観客の注目を集めている。そしてもちろん、彼らは称賛を得る」

「だが観客がそこにいるのは、軽業師がとても高いリスクを負っているからだ。もし同じことを地面からたった1メートルのところでやっていたら、誰も見はしない!」

 87歳のエクレストンはF1とサーカスの類似点を指摘するが、彼はF1が安全性に重点を置いていることにある程度は理解を示している。しかしながら、彼はハロを支持してはいない。

「今のマシンには標準以上の安全性がある。誤解しないでほしいが、それは非常に良いことだ」とエクレストンは語った。

「しかしハロときたら! 精密科学だからといって、提案されたソリューションが絶対安全だというのだろうか。まったくナンセンスだ」

「このことが、今日のF1には危険性が少ないことをほのめかしている。したがって、軽業師が転落するのを見にサーカスに行くような一部の人々にとっては、魅力も訴求力も減ってしまっている……」

 新シーズンでは誰もがトップ集団による熱戦を、1年を通して見ることを期待しているが、エクレストンは今シーズンのタイトル争いも予測のつかない展開にはならないと考えている。

「現実的になろうではないか。F1にはもはや昔あったような魅力も、今あるべき魅力もないのだ」とエクレストンは主張する。

「今年は誰がタイトルを獲得すると思う? ハミルトンに決まっている! もちろん色々なことが起こるだろうが、観客にしてみれば疑問の余地はない」

「そのような状況で、誰がレースに行くのを楽しみにしているだろう? 彼らはただテレビで観戦するだけになるだろう。そして何が起きるか考えたところで、結局勝つのはルイスなのだ……」