トヨタの若手ラリードライバー育成プログラム『TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム』に参加している勝田貴元と新井大輝、コドライバーの足立さやかが3月23~24日に行われたイタリア・ラリー選手権第1戦ラリー・イル・チョッコに参戦し、勝田が総合4位を獲得した。
ラリーで世界を戦う若手ドライバーを育てるラリーチャレンジプログラム。同プログラムでは2018年2月のWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンで勝田がWRC2クラス優勝を果たすなど、成果を伸ばしている。
今回参戦したラリー・イル・チョッコは、今シーズンこれまでフィンランド国内でスノーラリーを戦ってきた3名にとって、2018年初のターマック(舗装路)イベント。2日間合計で全15SS、合計距離153.91kmで争われた。
勝田と新井は2年連続での参戦だが、昨年とは異なりフォード・フィエスタR5での参戦となり、事前テストではこのプログラムで講師を務めるミッコ・ヒルボネンからアドバイスを受けたという。
また足立にとってはヨーロッパ圏で初めて参戦するターマックイベントとなった。
勝田は序盤から安定した走りをみせ、SS15終了時点で総合5番手と好走。続くSS13ではポジションをひとつ落としたが、SSS14で挽回。迎えた最終SSではステージ3位に食い込み、表彰台目前の総合4位でフィニッシュした。
新井はブレーキペダルのストロークが安定しないというトラブルに悩まされる場面もあったが、安定したペースで走りきり総合6位。ヤルッコ・ニカラとコンビを組む足立は序盤で電気系トラブルに見舞われる不運もあったが、15SS中5SSでクラス最速タイムを記録してクラス4位を獲得している。
「結果には満足しています。特に、最終ステージでトップと1.3秒差というタイムが出せ、順位を上げられたことはとてもうれしかったです」と勝田。
「成長を証明できたと思います。R5車両での舗装路の経験はまだ少ないので、このラリーを通して多くのことを学べましたし、次のラリー・フランスに向けた良い練習にもなりました」
「舗装路でのペースノートとドライビングはまだ改善すべき点があります。ときどきアグレッシブになりすぎるので、もっとスムーズな運転をしなければならないと思っています」
新井は「全体的には満足いくラリーでしたが、ブレーキペダルのストロークが安定しなかったことについては少しフラストレーションがたまりました。ペダルのフィーリングがコーナー毎に違ったのでブレーキの調整をし続けなければなりませんでした」とコメント。
またヨーロッパでの初ターマック戦を終えた足立は「狭くて曲がりくねった箇所が多く、ペースノートを読むのがとても忙しかったですが、よい経験と練習になりました」とラリーを振り返っている。
新井と勝田が挑む次のイベントは、今回同様にターマックイベントとなる、4月5~8日のWRC第4戦ツール・ド・コルス。足立が挑むのは5月18~19日に開催されるフィンランド・ラリー選手権第4戦だ。