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「デジモンテイマーズ」放送から約15年、主要スタッフが明かす制作秘話…Blu-ray BOX化記念座談会

2018年03月26日 17:53  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

「デジモンテイマーズ」放送から約15年、主要スタッフが明かす制作秘話…Blu-ray BOX化記念座談会
1999年に放送された『デジモンアドベンチャー』から始まる「デジモンシリーズ」。根強い人気を誇るシリーズのなかでも、前作から世界観を一新し、当時人気だったカードゲームの要素を加えたり、リアルなストーリー展開で人気を博したのがシリーズ3作目『デジモンテイマーズ』だ。

今回、アニメ!アニメ!では、Blu-ray BOXに収録されるスペシャルブックレットより、『テイマーズ』を生み出した主要スタッフ4人の座談会の一部を特別公開。
「デジモンアニメシリーズ」企画立ち上げから本作に携わる関弘美プロデューサー、本作のシリーズ構成や『02』では脚本として参加した小中千昭、演出面でシリーズを支えてきたシリーズディレクターの貝澤幸男、『アドベンチャー』や『02』のシリーズディレクターを務め本作では各話演出として参加した角銅博之。
「デジモンアニメシリーズ」を支えてきたスタッフ4人が明かす『テイマーズ』の制作秘話やシリーズへの想い、さらに初回生産限定特典の録り下ろしスペシャルドラマCDの聴きどころとは――。

【プロフィール】
関 弘美(せき ひろみ)
プロデューサー。フジテレビや朝日放送制作の日曜朝枠のアニメ作品を数多く手がけた。デジモンシリーズでは『アドベンチャー』立ち上げから『フロンティア』に携わる。東映アニメーション企画製作本部、企画開発スーパーバイザーを務める。

小中 千昭(こなか ちあき)
脚本家・小説家。アニメ以外にも実写ホラーや特撮作品等も数多く手がける。デジモンシリーズでは、『アドベンチャー02』では第13話『ダゴモンの呼び声』の脚本を担当。『テイマーズ』ではシリーズ構成として参加。

貝澤 幸男 (かいざわ ゆきお)
アニメーション演出家。デジモンシリーズでは、『テイマーズ』、『フロンティア』、『デジモンクロスウォーズ』のシリーズディレクターを務める。東映アニメーション所属。

角銅 博之 (かくどう ひろゆき)
アニメーション演出家。デジモンシリーズでは、『アドベンチャー』、『02』のシリーズディレクター、『DIGITAL MONSTER X-evolution』の監督を務め、『テイマーズ』、『フロンティア』『デジモンクロスウォーズ』では主に各話の演出として参加。

――『デジモンテイマーズ』制作当時の役割を、改めて教えてください。


プロデューサーとして、スタッフィングなどから関わっています。角銅さんには引き続き入っていただき、貝澤さんと小中さんに連絡をして参加していただきました。

貝澤
僕は前作の『デジモンアドベンチャー』と『0 2 』には全く関わっていなかったので、ゼロからのスタートになるわけです。ですが、関さんから「自由にやっていい」と言ってもらい、シリーズディレクターを引き受けることにしました。小中さんの描くデジモンや人間はとても密度があるんですよね、絵にしていくのは非常に難しかったですが、やりがいはありました(笑)。

小中
『0 2』からの繋がりで、シリーズ構成の話をいただきました。最初にお話の骨になるものを作り、貝澤さんがどういう内容のものをやりたいのか、やりとりをしました。

貝澤
小中さんが「これだったら俺やるよ」と書いてきてくれたんですよね。

小中
偉そうだった(笑)?

貝澤
ですよね。


うんうん(笑)。

小中
角銅さんにも各話演出で入っていただき、重要なお話を担当していただきました。そういう意味でも、総力戦でやれて嬉しかったです。

角銅
僕は『アドベンチャー』の時と関わり方が違うので、基本的には気楽に加わった感じですね。全体の構成は小中さんと貝澤さんがやられるので、要所でCG も作らせていただきつつ、担当する回に特化して見せ場を考えていました。『アドベンチャー』のときはあまりやらないタイプの作り方を入れられたので、面白かったです。

貝澤
『アドベンチャー』の経験がありますので、僕らから「どうしましょう?」と相談して考えてもらった部分もありました。

角銅
一度相談を受けたのが、啓人はテレビで『アドベンチャー』を見ていたという設定がありまして、それを露骨に表にはしたくないけど、思わせる描写を出すにはどうしたらいいかと。最終的には啓人の部屋にアグモンのおもちゃが置かれました。

小中
直接口に出さないで表現するとか、そのへんですよね。

――今回のドラマ CD 制作にあたり、いかがでしたか?

小中
おそらく関さんは、「こんなはずじゃなかった」と思っているはずですよ。

一同(笑)


小中さんからプロットをいただいたときに、「設定的に『アドベンチャー』などに抵触しないかどうか、角銅さんにもチェックしてもらってください」という言付けが一緒だったんです。「わかりました、やりますよ」と思いながらも「これはプロデューサーに対する挑戦状か」って(笑)。プロットを読んでいる段階から「小中さんはドラマ CD だと思って書いていない」と思って。

小中
自分でも思っていました(笑)。

これは映像を作りたいと考えている人のプロットだよね。間違いない、この人確信犯だわと(笑)。

小中
貝澤さんに字コンテ(台本に効果音などの指定を書き込む)をきっていただき、ギルモンがぽこぽこと歩いているところに、“テリアモンは歩幅が短い“という指定を入れていたんですよ。そうやっていくうちにどんどんこう…(笑)。

――ファンの方へメッセージをお願いします。

角銅
放映当時、ときどき見逃してしまった話数があるんですよ。忙しくてうっかりしていることがあって。Blu-ray で映像が綺麗になったので、改めて僕も全部楽しみたいと思いますので、みなさん一緒に楽しみましょう。

小中
DVD BOX 時、ブックレットがすごく濃い内容になっていたのですが、今回も負けず劣らずの内容になっているはずです。なにより Blu-rayで画質がびっくりするぐらい良いです。正直これは買ってくださいと、本当に言えるものになっていると思います(笑)。

貝澤
ドラマ CD を作るにあたり、見返してみたんですね。15 年経つと「ああ、面白いな」と感動してその世界にのめり込んじゃったんです(笑)。なんか1人のファンとして『テイマーズ』を受け入れられた感じがして。ファンのみなさんと同じ土台で見て、感動して、次の機会があれば小中さんにまたお願いして、その感動を胸に作品を作っていきたいなと思います。


私は Blu-ray で見るのが怖いんですよ。綺麗になった映像が素晴らしいんですが、特にオープニング見たときに、ちょっとウルウルしちゃって。そのくらい Blu-ray のクオリティも、ドラマ CDもよく出来ていると思います。この気持ちを、見てわかっていただけるとうれしいです。

「デジモンテイマーズBlu-ray BOX」

発売日: 2018年4月3日
価格: 53,800円(税抜)
発・販売元:株式会社ハピネット

特典
【初回生産限定特典】
・新作スペシャルドラマCD(約29分)
【タイトル】デジモンテイマーズ 2018 「Days -情報と非日常-」
【スタッフ】プロデューサー:関 弘美 脚本:小中千昭 演出:貝澤幸男 音響演出:角銅博之
【キャスト】ギルモン:野沢雅子 松田啓人:津村まこと テリアモン:多田 葵 李 健良:山口眞弓 牧野留姫:折笠富美子
加藤樹莉:浅田葉子 山木満雄:千葉進歩 NYX:藤田 咲(友情出演)

【通常特典】
・キャラクターデザイン:中鶴勝祥 新規描き下ろし三方背アートBOX
・キャラクターデザイン:中鶴勝祥 新規描き下ろしデジスタックケース2種
・スペシャルブックレット
(07年4月発売のDVD-BOX「デジモン クロニクル ボックス02 デジモンテイマーズ」に封入されていた2冊のブックレット、
「Memories of Our DIGIMON TAMERS」「デジモンテイマーズ ~CARD EVOLUTION~」をもとに再編集したものです)
・ピクチャーレーベル

【映像特典】
・ノンクレジットOP、ノンクレジットED

(C)本郷あきよし・東映アニメーション

※ドラマCDの内容に触れたインタビュー完全版はBlu-rayBoxに収録