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『花のち晴れ』キンプリ平野紫耀は、第2の“花男ブーム”を起こせるか? 松本潤との違いから考察

2018年03月26日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

 4月スタートのドラマの中で、何かと注目を浴びているのは『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)ではないだろうか。4月17日放送開始となる本作は、一斉を風靡した『花より男子』(TBS系)シリーズの新章。そして主演を務めるのは、5月23日にCDデビューが決まっているKing & Princeの平野紫耀だ。


 King & Princeとは、平野をはじめ、永瀬廉、高橋海人、岸優太、岩橋玄樹、神宮寺勇太の6人によるジャニーズの新グループ。もともとは平野・長瀬・高橋の“Mr.KING”と、岸・岩橋・神宮寺の“Prince”に分かれており、ジャニーズJr.時代から高い人気を誇っていたユニットだった。平野は、そんな人気新グループのセンター的ポジション。端正な顔立ちと力強いパフォーマンスとは裏腹に、ド天然なトークが魅力である。平野は、デビューと同時に大ヒットドラマ新章のヒーロー役を掴み、国民的アイドルへの階段へ足を掛けたのだ。


 『花のち晴れ~花男 Next Season~』は、平野にとっての出世作になるかもしれない。また“花男”の新章ということもあり、嵐・松本潤の道明寺司とも比べられるだろう。もちろん平野と松本の間には大きなキャリアと経験の差がある。しかし、それぞれ良さがあるはずだ。では彼ら2人の演技の特徴は、どんな部分なのだろうか。


 まずは、嵐・松本。『花より男子』シリーズで少女漫画の王道・ドS王子キャラを演じて一躍有名になったため、「松本潤=道明寺司」というイメージが強いが、実は松本が演じる役の幅は非常に広い。例えば、2014年の『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)では、1人の女性を人妻になっても思い続け、いつか思いが実ることを妄想しまくるショコラティエを演じた。2017年には映画『ナラタージュ』で優柔不断で自分にも他人にも優しい教師・葉山貴司役を、そして最近では、2016年から続く『99.9-刑事専門弁護士-』(TBS系)の新シーズン『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』で、いつもふざけているようなひょうひょうとした態度でありつつも難事件を次々と解決する敏腕弁護士・深山大翔役を務めてきた。


 これだけさまざまな役を演じこなす松本は職人気質。役者仲間と演技について語ったり、役について深く考えたり、徹底的に役作りをしてなりきるタイプの役者である。もちろん、道明寺司役も然り。まるで漫画から飛び出してきたかと思うほど原作に忠実であった。また、道明寺司役が特にはまり役だったのは「なんでもできる完璧人間だけれども、天然な部分もある」という素に近かったキャラクターだったからとも考えられる。


 一方、平野はまた違った演技の魅力の持ち主。今回『花のち晴れ~花男 Next Season~』で平野が演じる神楽木晴は、道明寺司に憧れる学園的リーダーだが、実はメンタルが弱いヘタレ男子でもある。原作漫画を見ると、序章ではヘタレっぷりが垣間見えるシーンが多いため、コメディーになりすぎないよう平野の手腕が問われそうだ。


 普段の平野は「お札になりたい」「座右の銘は“みずがめ座”」などド天然な発言を繰り返すため、演技でもコミカルになりがちかと思いきや、全くそうではない。例えば、平野が初出演・初主演となったドラマ『SHARK』(日本テレビ)。傲慢だが実は人を思いやる気持ちが強い主人公・倉田瑞希を、かなりクールに演じてくれた。いつもニコニコしている平野からは想像できない、ムスッとした表情が印象的だ。


 さらに舞台『JOHNNY’S ISLAND』ではコミカルなシーンもありつつ、シリアスで熱いシーンもこなしてジャニーズJr.たちを引っ張っていた。普段のおとぼけキャラを封印して演技ができるのは、平野の強みだろう。そして、『花のち晴れ~花男 Next Season~』でもクールなシーンと笑えるシーンが混ざってくるはず。平野の得意分野とも言えそうだ。


 『花のち晴れ~花男 Next Season~』の公式サイトでは、「原作のファンの方々を裏切らないよう、そして、先輩の松本潤君の名に恥じぬよう精一杯、演じたいと思います」と語っている平野。気合は十分だ。これを機に、お茶の間に彼の名前が一気に広がっていくことを願いたい。(高橋梓)


※「高橋海人」の高は「はしごだか」が正式表記