開幕戦オーストラリアGPの予選Q3のアタック中、バルテリ・ボッタスはターン1で挙動を乱し、ターン2イン側のタイヤバリアに激突。マシンを大破させてしまった。注意深い視聴者はそのクラッシュの直後、メルセデスの車体後部から、液体が激しく噴き出しているのに気付いたかもしれない。
位置的にはリヤウイングのピラー(支柱)付近。もげてしまったピラーの根元から、激しく液体が噴き出しているのが見える。正確にはその中に仕込まれた樹脂製チューブが、クラッシュの衝撃で切断されたことが原因だ。
ここまで来れば、液体の正体がおわかりではないだろうか。DRS装置を油圧駆動させるオイルなのである。下の写真で示すように、車体中央に置かれた油圧ポンプから伸びたチューブが、エキゾーストの真上を通り、リヤウィングを支えるピラー内部を通って、DRSを駆動するアクチュエーターへと繋がっている。
かなり高温になるエキゾーストの真上を通すために、ある程度の防熱措置が取られている。一方ライバルチームのマシンでは、DRSのチューブはまったく別の経路を通しているのか、ここまではっきりは見えていない。