子どもの人生に悪影響を与える「毒親」。先日のガールズちゃんねるで話題になっていたのは、そんな親に育てられたという人のコメントが集まる「毒親育ちあるある」というトピックだ。
それによると、まず目立っていたのが「自尊心が異様に低い」というもの。それに続き「自己肯定感が低い為に承認欲求が強い」「人の顔色を伺いすぎる」「人を信じられない」など内面に問題を抱え、生きづらさを感じている人が多いようだ。(文:みゆくらけん)
「友達に依存しがち」「人と適度な距離感がとれない」
特に幼少期の親と子の関係性は重要で、その影響は子が大人になっても続いていくと考えられている。たとえば親から充分な愛情を与えられなかった子どもはその不足分を大人になってからも友達や恋人を相手に求め補おうとしてしまう。
結果、コメントにもあるように「友達に依存しがち」「人と適度な距離感がとれない」という状況に陥ってしまう人も。恋愛面では特にその傾向が炸裂しがちだが、特に切なかったのはこんなコメントだ。
「彼氏の気持ち確認する時に『私のこと好き?』ではなく『私のこと嫌いになってない?』って聞き方をする」
これに対しては「わかるわかるやばいわかる」という共感の声も。毒親育ちは「愛情を失って傷つく」という怖さに敏感なのだ。
自分の親を「毒親」と認定したくはないが、筆者の親もそういうフシが(かなり)ある。だからか、いつからか筆者の人生のメインテーマは「なぜ私はこんなにも生きづらいのか?」になっていた。もしかしたら親にその一因があるのかも、と気づいたのは30を超えてからだったけど。
しかし、「親のせいかも」というその読みが実際当たっていたとして、いったいいつまで親のせいにしていいものなのか。「どうしても人生がうまくいかない原因は親にあると考えてしまう」というコメントもあったが、そこで止まっていては前に進まない。確かに毒親育ちは普通の人より人生ハードモードかもしれないが、もうそこは運命だと割り切ってやっていくしか未来には繋がらないような気がしてならない。
だいたい、大抵の場合において親も毒親育ちであることが多い(毒親は連鎖しがち)。そうなると、遡りまくって先祖まで恨むハメになる。負の連鎖を断ち切りたかったら、自分が変わるしかないのだ。
「自分が自分の親になる」という気持ちで生活するのも有効?
ではどうすればいいのか。精神科医の岡田尊司氏の著書「愛着障害」によると、自分を理解し、深い愛情で受け入れてくれる「安全基地なる存在」を持つことが重要で、恋人やパートナーがその役割を担ってくれたら最高だという。
ただ、すべての人がそのような理解者を得られるわけではなく、その場合は「自分が自分の親になる」という気持ちで暮らしていくのも良い方法なのだとか。自分が親として、自分にどうアドバイスするか―。容易なことではないが試してみる価値はあるかもしれない。これはなかなかしんどくて孤独な作業なのだろうけど。
ガールズちゃんねるでは他に、毒親育ちにありがちなこととしては「ダメ男にひっかかりやすい」「大人になって子供返りする」「この人も毒親育ちなんだろうなぁって鼻が効くようになる」「子供を産むのが怖い」「0か100か思考になる」などが上がっていた。どれもこれも共感か納得しかない。しかしそう悪いことばかりではない。
中には、
「毒親の暴言に慣れていたせいで、新聞購読の契約の事で話がこじれて、チンピラみたいなやつがやって来た時も、対等に渡り合うことができた」
などというコメントも。この人は「皮肉を言っているのですが」と付け加えているが。似たところで「このハゲーっ!」で時の人となった豊田真由子前衆院議員の暴言についても「別に驚かなかった」というコメントもあった。