F1iのテクニカルエキスパート、ニコラ・カルパンチエが各チームの2018年F1マシンに搭載される最新技術を解説。今回はフェラーリのエンジンカウル内部をピックアップする。
—————————
フェラーリの新車SF71Hは、特徴的なサイドポッド周りの空力処理を始め、基本的には昨年型を発展させたものだ。しかしメルボルンでマシンを詳細に観察すると、いくつかの変化が見受けられる。
まずホイールベースが、大きく伸ばされた。12cm前後伸長され、メルセデスW09とほぼ同じレベルに達している。さらにフロントウイングの新たなアプローチは、明らかにマクラーレンの影響を色濃く感じさせる。
しかしSF71Hの変化の神髄は、目に見えないカウルの下にある。ラジエターの形状や配置が、大きく変わっているのだ。
2016年以降、フェラーリは左右のサイドポッドに2基のラジエターをサンドイッチ状に搭載してきた。それぞれ上部が長く、下部が短くなっている。それがSF71Hでは、ラジエターは1基だけになり、長さは伸び、より垂直に近い位置に搭載されている。
この変更の狙いは、マシン後部の空間確保にある。