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英国ツーリングカー王者がV8エンジン搭載の豪州スーパーカーをテスト。ビッグパワーに驚き

2018年03月23日 16:21  AUTOSPORT web

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新型ホールデン・コモドアZBの評価テストを行ったBTCC王者のアシュリー・サットン
2017年のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権でチームBMRのスバル・レヴォーグGTをドライブし、自身初のチャンピオンに輝いたアシュリー・サットンが、F1開幕戦併催となるVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第2戦を前に、ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドのGen2規定新型ホールデン・コモドアZBのテストを行った。

 この週末にメルボルンのアルバートパークで開催されるコートハイア・スーパーカー・メルボルン400を前に、市街地北部にあるウイントン・モーターレースウェイで水曜に行われた“エバリュエーション・デイ”に参加したサットンは、今季モービル1ブーストモバイル・レーシングとしてスコット・パイがドライブする最新のレースカーのテストを行った。

 BTCC参戦2年目にして年間6勝を挙げ見事にタイトルを獲得したサットンだが、その栄冠をアシストしたスバル・レヴォーグGTの生みの親であり、テクニカルディレクターのカール・フォウが10月のBTCCシーズン終了と同時にオーストラリアへ移住。

 今季からウォーキンショー・レーシングに資本参画し、新たにウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドとして生まれ変わったチームの技術部門をフォウがまとめることとなり、その縁により今回のBTCCチャンピオンによる評価テストが実現した。

「僕にとっては、スーパーカーがどんなシリーズで、マシンの性能がどういったものかを知るまたとないチャンスになったよ」と話す24歳のBTCC王者。

 とくにV8のパワーに興奮した様子のサットンは「このクルマは本当に目が覚めるほどのモンスターだったよ。ピットアウトする瞬間からとてつもないパワーと速さを感じて、ハーフスロットルだったのにも関わらず、すぐにシフトアップしてしまったよ(笑)」と、その初体験を振り返った。

「スーパーカーのマシンは直結のリヤデフを使っていて、ほぼロックされている。これに関しては、僕が普段ドライブしているFRマシン(スバル・レヴォーグGT)とは大いにフィーリングが異なる」

「だから、マシンのバランスがどんどんアンダーステア傾向になるに従って、ペダルワークにも異なるテクニックが求められたけど、そのアプローチをアジャストするのに時間はかからなかった。すぐにマシンのスイートスポットを見つけて、曲げていくことができたよ」

「このウイントンのトラックはテクニカルなセクションから高速コーナーまでが含まれていて、マシンのすべての要素に注意を払う必要があり、テストをするのに最適なコースだった」

 サットンはこの1日を通じてVASCで使用されるダンロップタイヤのすべてのコンパウンドを試し、同じくダンロップのワンメイクとなるBTCCでの経験から双方にとって有益なフィードバックを行ったという。

「本当に数多くの新たな体験があり、とても興味深い経験になった」と、テストを終えて満足げな表情で語るサットン。

「2種類のタイヤコンパウンド間で約2秒のラップタイムデルタがあったので、必然的にドライビングのアプローチも変える必要があった。でも、BTCCで慣れ親しんでいるダンロップのフィーリングは感じられたし、多くを学ぶことができた」

「ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドのプロフェッショナリズムに感銘を受けたし、とても感謝している。今季はどこかのラウンドを見に行きたいと思うし、将来的には参戦してみたいカテゴリーのひとつだね」

 そのVASCは開幕戦を終え、ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドがチームズランキング首位の状態でアルバートパークに乗り込んできたが、F1併催戦アデレードでのプラクティスを前にフォードとニッサンの両陣営から疑義が提出されていた新型ホールデン・コモドアZBの軽量ルーフ、ボンネット、バルクヘッド使用に関する協議が行われ、フォードとニッサンにもコンポジット素材の軽量パーツへの置換が認められることとなった。

 これは開幕戦時点で唯一Gen2規定の新型に移行していたホールデン・コモドアZBが、ルーフやボンネット、そして5ドアハッチバックボディの形状ゆえに新設されたリヤのバルクヘットに至るまでコンポジット製の軽量素材を使用していた問題で、レース後に抗議の声が挙がっていた。

 これによりコモドアZBは1410kgのマシン最低重量を大きく下回り、40kg以上にもおよぶバラストの搭載が可能だったとも噂されており、ライバル陣営から「明らかに運動性能と重心位置が異なり、規定の理念に反する」と異論が噴出していた。

 すでにメルボルンには新たに製作した軽量パネルやパーツ類を持ち込んでいたフォード、ニッサンの両陣営は、この裁定を受けさっそく新パーツへの換装を決行。その成果があったかレース2に向けた予選はホールデン開発チームのレッドブル・レーシング・オーストラリアの王者ジェイミー・ウインカップが最速だったものの、レース1予選でシェルVパワー・レーシング、DJRチーム・ペンスキーのスコット・マクローリンが、フォード・ファルコンFG-Xの今季初ポールポジションを獲得している。