小学校の卒業式は、学校生活の区切りであり記念日でもあります。とはいえ子どもですから、必要以上にお金をかけて華麗に装う必要はないはずです。
しかしここ数年は、公立の小学校で「袴」(はかま)を着用する女子児童が増え、賛否が分かれています。3月17日のガールズちゃんねるでも、小学5年生の娘さんに「来年の卒業式で袴を着たい」と言われて、悩む母親から相談が寄せられました。自身が着付けやヘアセットもできることから、袴もいいかと思いつつ、色々と悩んでしまうようです。(文:篠原みつき)
「友達のなかで一人だけ着せないのは可哀想」「日本人が着て何が悪いの?」
トピ主は、「やはり大学を卒業するときに着るもの」で、小学生には華美すぎで禁止している学校もあるというし、まだ早いのだろうかと悩んでいます。しかし、今年は3分の1くらいの子が袴で、「お友達が着ているのに娘がスーツだったら可哀想」とも考えてしまい、助言を求めていました。
現在、袴の着用は地域によっては禁止や自粛を呼びかける学校もあります。トイレや慣れない着物での転倒を心配してのことですが、経済的な負担も軽くありません。袴はレンタルでも1万~3万円、着付けやヘアセットまで頼めば5万円くらい、高いものでは10万円する場合もあるといいます。中学校の制服やカバンなどもトータルで数万円かかるのに、同じ時期にさらなる出費は難しい家庭もあるでしょう。
レスコメントは1000以上入り、注目度は高いようです。やはり賛成と反対で割れていますが、賛成派の意見は次のようなコメントがありました。
「学校がいいなら 着たい人は着ていいと思うけど」
「日本人が着て何が悪いの?制服があるなら別だけど、自由ならいいじゃない?」
ほかにも、「周りに着る子がいて、本人も着たいなら着せてあげる。(中略)友達のなかで一人だけ着せないのは可哀想」と、トピ主の迷いに答えるような声もありました。
筆者も子を持つ親として、この気持ちはよく分かります。実は今月、我が子も小学校の卒業式を迎えますが、男子なのでさほど負担はありません。それでも皆スーツだというのでレンタルはしました。自分のときは普段着だったことを考えると、時代は変わったなと思います。
勝間和代は「商業的なものに踊らされているに過ぎない」と指摘
一方、反対派は「まだ早い!」「大学の卒業式で着ればいい」を始め、「当たり前に卒業するものにそんな着飾って式する必要ないよね」「トイレが大変」などのクールな意見が数多く出ました。
小学校の袴問題は新聞やテレビでもよく取り上げられていますが、経済評論家の勝間和代さんは先月の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で、「私は反対です」とコメントしていました。単純に、子どもはまだ判断力がないので、
「まわりの子が着るからという理由で、親が3000円から10万円の負担をするのは適当ではない」
「これはもう商業的なものに踊らされているに過ぎない」
と厳しい意見でした。
さらに「1万円や10万円があったら、それを子どもの教育費や将来使うクラブの費用などに積み立ててあげたほうが、よっぽどいい使い方ですよね」と持論を展開しました。確かに、レンタル代で本のひとつも買えたと思えば、無駄な出費なのかもしれません。
しかし、子どもには恥ずかしくない格好をさせたいと思うのが親心です。ネットのコメントには、「うちも5年だけど来年度から袴禁止になったよ。小躍りしたよ 笑」と、学校が禁止にしたことを喜ぶ声もあり賛同を集めています。「いっそ制服があればいいのに」と書く人も多く、無理して人に合わせることに負担を感じる人が多いことも分かりました。