全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦するヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームの中須賀克行は「今年は負ける気がしない」と2018年シーズンに絶対的な自信を示すとともに、復活したホンダワークス『チームHRC』との戦いを心待ちにしていると明かした。
2017年シーズンの前半戦、中須賀はタイヤサイズのレギュレーションが16.5インチから17インチに変わったことによるフィーリングの変化に苦戦し、2戦連続でリタイアと苦しい戦いを強いられることに。
このノーポイントが響き、チャンピオン争いからは外れてしまったが、シリーズ後半戦の第7戦オートポリス、第8戦岡山で連勝。さらに最終戦鈴鹿では2レースをダブルウィンで終え、9レース中5勝とシーズン最多勝利を獲得し、タイヤサイズ拡大に対応してみせた。
中須賀自身も「去年の前半戦は17インチのタイヤに手こずっていましたが、そこは後半戦で修正して、良い形でシーズンを終えられているので、(2018年シーズンも)しっかりとその波に乗れると思います」と2017年シーズンを振り返る。
迎える2018年、JSB1000クラスはレース数が13レースに増え、これまで以上の激戦が予想されている。このことについて中須賀は「1戦1戦の内容は変わってくると思います」と次のようにコメント。
「去年までだと1回のミスでチャンピオン争いから外れる場合がありました。(年間)13レースあると挽回できる可能性があります」
「(ポイント獲得を優先し)予選まで速く走り、決勝でペースを抑えてしまうライダーもなかにはいたと思いますが、レース数が増えてチャンピオンの可能性も広がっていくので、そういったライダーが(決勝レースで)予選と同じような走りをしてくる可能性がある。なので、今年は内容の濃いシーズンになると思いますよ」
2015年にフルモデルチェンジしてJSB1000にデビューしたヤマハYZF-R1は今年で参戦4年目を迎え、熟成が進められている。2018年型YZF-R1についてはどうだろうか。
「R1は、熟成の年に入っていますから、大きな変更点はありません」と中須賀。
「今では(国内4メーカーのなかで)一番型の古いバイクになってしまいましたけど、それでもバイクのポテンシャルは高いので戦闘力は充分にある。なので、仕上がっているバイクの力をいかに100%出し切れるか。出し切れればいい結果は絶対についてきます」
今シーズンのJSB1000クラスで大きな注目を集めたのがホンダのワークスチーム、チームHRCの復活だ。中須賀は「あのホンダがやっと本気を出す」とホンダワークス復活を心待ちにしていたようだ。
「HRCが復活したことは二輪業界にとっては非常に明るいことだと思います」
「あのホンダがやっと本気を出しますからね。それを破ってこそヤマハの価値が上がるし、ヤマハ・ファクトリー・レーシングとしての力も試される。そういった意味で非常に楽しみですね。自分自身もすごいワクワクしているし、チームスタッフやメカニックの士気も上がっているので、(2018年は)鈴鹿8耐も含め楽しみが多いですよ」
最後に、自身にとってのライバルとなるライダーは誰になるかと聞くと中須賀はこう締めくくった。
「自分が1番という自信があるので、そこは変わらない。去年はチャンピオンを獲れていませんが、優勝数は一番だったので、今年は負ける気がしない」