メルセデスのノンエグゼクティブチェアマンを務めるニキ・ラウダは、W09がライバルたちのニューマシンより若干優勢にあると考えているが、現世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンは、より慎重な考えを示した。
プレシーズンテストでのメルセデスはロングランで強力なレースペースを出しており、そのパフォーマンスを受けて、メルセデスが一歩リードしているという見方が大方を占めている。
ラウダはW09はベースが優れたマシンであることを認めているが、現在のアドバンテージはほんのわずかであると推定している。
「我々はこの数年と比べても、よりしっかりと準備ができており、自信を持ってオーストラリアに臨むことができる。しかし私はレッドブルとフェラーリが我々と同程度のレベルにあると考えている」とラウダは述べた。
「私の考えでは、我々は最大でコンマ2秒、レッドブルの前にいる。そしてフェラーリが続く」
「W09は(昨年型より)ドライブしやすいマシンだ。(バルテリ・)ボッタスもうまく扱っている」とラウダは語った。
「コーナリングスピードがとてつもなく速いことに気づいた。コースで観戦するファンにとって、もちろん素晴らしいことだ。それに音も大きくなっている」
4度の世界チャンピオンであるハミルトンは、メルセデスが非常に強力なマシンを作り出したと確信はしているが、周囲からの高い評価については慎重な姿勢を示している。
「1年のこの時期、皆が誰かを持ち上げようとする。僕たちは世界チャンピオンだから、格好のターゲットになるわけだ」と、ハミルトンはメルボルンで行われたペトロナスのメディアイベントで語った。
「他の誰かにすべてのプレッシャーを押し付けようとしているみたいだ。そうすると自分へのプレッシャーが軽くなるからね」
「でも最終的にプレッシャーは僕たち全員にかかってくる。レッドブルはマシン製作において素晴らしい仕事をしたようで、(昨年よりも)しっかりと装備を整えてきている。ドライバーはふたりとも優秀だから、今週末はかなりの速さを見せるはずだ」
「そして昨年僕たちと真剣勝負を繰り広げたフェラーリがいる。彼らに簡単に勝つことができないのは確かだ。今年も彼らは手ごわいと予想している」
今週末のレースが始まって全員が手の内を見せる前に推測ゲームをすることは無駄であるとハミルトンは語る。
「こういった今週末に向けた予想は皆と変わらないし、外れてはいないと思う。僕はできる限りいいポジションに立ち、マシンと自分のツールを理解するために努力している。コースを走り出した瞬間から、マシンを向上させ、自分の仕事を改善するためのひとつひとつの作業が重要になる。すべてのステップが正しいものでなければならない」
「僕の理解では、レッドブルとフェラーリの差はほんのわずかだと思う。僕らはレッドブルの少し後ろか、少し前か、どちらにもなり得ると考えている」
「彼らは今週末新たなアップグレードを持ち込むかもしれないから、厳しい戦いになるだろう」