元F1ドライバーでグランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)会長のアレクサンダー・ブルツは、ハロの存在とそれがもたらす安全性により、F1は将来より高速でパワフルなマシンの実現を目指すことができるかもしれないと考えている。
コクピット保護デバイスであるハロの見た目に関しては、魅力に欠けるという意見が広まっており、ブルツも同意している。しかしそれでもなお、ブルツはハロの導入を強く支持している。
「今日の社会的、法的状況のなかで、誰かが見た目が気に入らないと言っているからという理由で、FIAのような組織が安全性の向上に無関心でいることは不可能だ」とブルツはDer Standard紙に述べた。
「社会情勢は変化してきている。世界的産業は、人々の負傷や死亡事故を防ぐために、可能なことをすべて行なわなければならない」
ブルツはファンのハロに対する否定的な反応には取り合わず、レース内容が良ければ批判は弱まり、完全に消えてしまうだろうと考えている。
「このスポーツが、コース上で複数の勝者や均衡した競争によるエキサイティングな場面を見せれば、観客の99.9パーセントはハロがあろうがなかろうが気にしないだろう」とブルツ。
最終的にハロによって安全性が向上すれば、将来的により良いパフォーマンスや、さらに速く見ごたえのあるマシン設計を許可するような規則の制定に繋がる可能性もある。
「もしマシンの安全性を確実なものにできたら、将来はモナコのコースを時速400kmや450kmで疾走できるかもしれないし、雨になっても赤旗は不要になるかもしれない!」とブルツは語った。