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山口真由が佐川前理財局長の国会答弁を解説 官僚答弁は「揚げ足を取られないようウソなくいくつも予防線を張る」もの

2018年03月22日 14:21  キャリコネニュース

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弁護士で元財務官僚の山口真由さんが3月22日、「モーニングショー」(テレビ朝日)で佐川前理財局長の国会答弁について解説した。官僚答弁の極意は、「揚げ足を取られないようウソなくいくつも予防線を張る」ことにあるため、一般の人にはなかなか理解しづらいという。

番組によると、佐川宣寿・前理財局長は2017年2月、「国有地売却は時価で売るのが基本。価格を鑑定してもらい適正な価格で売っている」と答弁。山口さんによると、この「適正な」というのは、「適法な手続きの範囲で」という意味であり、「妥当な価格」という意味ではないという。

「適正な価格」というのは「妥当な価格」ではない?

そのため、2017年11月には会計検査院に、ごみの撤去費約8億円は「十分な根拠が確認できない」と指摘されたが、答弁が虚偽になるということはない。

「前理財局長の立場からすると、約8億円の値引きというのは大阪航空局が見積もった価格であって、第三者がそれはやっていますと。あくまで8億円の妥当性については答弁していません。我々の知りうる範囲で、第三者に適法に鑑定を依頼したものですという言い訳ができるようになっていると思いますね」

また、佐川前理財局長は同年2月に「売買契約の締結に至るまでの近畿財務局と森友学園の交渉記録というものはございません」とも答弁していたが、これは「交渉のやりとり自体を記録した公文書はない」という言い分だという。

この表現であれば、たとえ交渉に関する個人のメモ等が見つかったとしても、嘘にはならない。実際、近畿財務局は2018年1月、情報開示請求に応じて、検討を記録した文書を開示したが、「公文書」ではないため、答弁が虚偽とまでは言えないという。

しかしコメンテーターの玉川徹さんは、「閣議決定によると、行政文書とは『公務員が職務上、作成した文書であり、組織内で共有されていたもの』というのが定義」と指摘。今後、該当する文書が見つかれば、「言い逃れ」ができなくなる可能性があると話した。

「霞ヶ関ロジックは一般的な考え方とあまりにも開きがある」

山口さんによると、官僚答弁の極意は「揚げ足を取られないようウソなくいくつも予防線を張る」ことにあり、

「理想は何も言わないことなんです。予防線が多ければ多いほど美しい答弁ということになる」

という。虚偽にだけはならないように気をつけながら、のらりくらりと言い逃れをしていればいいということのようだ。これでは一向に事態が明らかにならないだろう。

山口さん自身も、こうした"官僚答弁"を擁護するつもりはないという。

「霞が関ロジックがいいと言っているわけではない。このロジックは一般的な考え方とあまりに開いている。ただ佐川前理財局長だけの責任ではなく、積み重ねられてきたものがあります」