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ハースト婦人画報社が「エスクァイア」に注力、メンズデジタルメディアを刷新

2018年03月22日 13:22  Fashionsnap.com

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大槻篤編集長 Image by: FASHIONSNAP
ハースト婦人画報社が、メンズライフスタイル総合サイト「メンズ・プラス(MEN'S+)」を「エスクァイア・デジタル」にタイトルを変更し、3月22日にリニューアルオープンした。エスクァイア(Esquire)は1933年にアメリカで誕生した男性誌で、世界27カ国で展開。また2016年10月に創刊したハイエンド版「エスクァイア・ザ・ビッグ・ブラック・ブック(Esquire The Big Black Book)」は、昨年の2回刊から今年は年3回と発行回数を増やす予定。同社がエスクァイアに注力する狙いとは。メンズ メディア グループを統括する大槻篤編集長に聞いた。

 メンズ・プラスは、同社の男性誌「メンズクラブ(MEN'S CLUB)」のオンライン版「メンズクラブ・オンライン」から名称を変更する形で2014年6月に誕生。ファッションをはじめとするコンテンツを中心に展開し、エスクァイアや「メンズヘルス(Men's Health)」はカテゴリーの一つとして位置付けられていた。
 エスクァイア・デジタルとしてリニューアルした後は、米国版のコンセプトを踏襲。インターナショナルメディアの強みを生かし、トランプ政権やビットコインなど政治やカルチャーなどを中心としたリフト記事に加えて、オリジナル記事をミックスした"エスクァイアの日本版"として展開していく。メンズクラブとメンズヘルスはエスクァイア・デジタル内のカテゴリーの一つとして残す。
 タイトルを変更する狙いについて、大槻編集長は「メンズ・プラスはメンズクラブから派生しているので、どうしてもファッションのイメージが付いてくる。今のままでも拡大は狙えるが、世界的に知名度があり、よりインテリジェンスで知的好奇心の高い人から支持を得ているエスクァイアにタイトルを変更することで、新規のユーザーの獲得が見込める」と話す。リニューアルに合わせてURLも変更されたが、SNSはメンズ・プラス時代のアカウントを引き継いでいる。メンズ・プラスの今年1月の月間ページビューは約2,000万PV。「ゼロからスタートではなく、これだけのパワーをすでに持った状態で始められるので、恵まれたスタートができるのではと思う」。
 一方でタイトルが変わることによるユーザー離れが懸念されるが、大槻編集長は「エスクァイアは知名度が抜群ですし、守備範囲がメンズ・プラスよりも広くなる。また、エスクァイアが打ち出す"マーベリックな男(=改革者であり、軸がブレていない男)"という男性像に共感を持つ人は少なくないはず」と回答。5万6,000部を発行する雑誌とデジタルの2つを軸に、幅広く読者を獲得したいという。オープン時は"マーベリックな人物"として野村萬斎の独占インタビューおよびムービーを公開し、3月24日発売号のメンズクラブの誌面にも展開する。
 大槻編集長は"ちょい不良(ワル)オヤジ"というワードを生んだ「レオン(LEON)」や「GQ ジャパン(GQ JAPAN)」で編集を経験。2013年から昨年までは"港区おじさん"などのワードで話題を集めている「東京カレンダー」で編集長を務めた。エスクァイアでも「時代を作りたい。媒体としてのブランドバリューはあるので、キャラ付けできるようなワードを開発していきたい」と意気込みを示している。
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