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スズキGSX-R125は小排気量でもスーパースポーツの楽しみを十分に味わえる/市販車試乗レポート

2018年03月22日 06:11  AUTOSPORT web

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スズキGSX-R125
1984年のGSX-R400、翌年油冷エンジンでデビューのGSX-R750以来、スズキのフラッグシップとして君臨するGSX-Rシリーズ。頂点に君臨しているのは本場欧州でも根強い人気を誇ったGSX-R1000だ。その価格は隼をも凌ぐ200万円オーバーだ。

 同シリーズは現在5タイプあるが、その末弟に位置するのがこのGSX-R125だ。

 ネイキッドスポーツのGSX-S125と基本コンポーネトを共有するフルカウルモデル。いかにもレーサーレプリカ系を匂わす仕上がりはモータースポーツファン待望のモデルといって良いだろう。

 ご覧の通り外観はシャープ。シートに跨がると、スリムに決まるライディングポジションがとても新鮮で印象深い。それはまるでレーシングマシンの様。

 タンクに胸をつけてピタリと前屈姿勢を取る。ニーグリップは細く、ステアリングのトップブリッジ下側にクリップオンされたセパレートハンドルを握りスクリーン越しに前方を睨むと、サーキットを疾走するシーンが思い浮かぶ程だ。

 車幅は700mm。ハンドル位置も低く、ライディングポジションは上体がやや前傾となる。

 ハンドルの切れ角は35度と小さめ。最小回転半径は2.6m。当然ネイキッドと比較すると小回り性は劣るが、扱いは軽く自在に操れる乗り味でUターンなど市街地での取り回しにも難はない。

 125ccDOHC4バルブの水冷単気筒エンジンは、いかにもショートストロークらしい伸びの良い回転フィーリングを発揮。吹き上がりは実にスムーズ。

 回転計では難なく1万回転オーバーを示すエキサイティングな出力特性が印象的。それはレッドゾーンの1万1500回転をも超えるのだ。その感覚を楽しむと、ライダーは間違いなく気分が高揚する。元気マインドで思い切りパワーを使い切って走る楽しさはヤミツキになりそうだ。

 2000回転までの極低速域では若干のトルク不足があるが、それでもクラッチミートだけの発進操作を許容する粘り強さも十分。2000回転を超えてしまえば、どの回転域でも素直なスロットルレスポンスを発揮する。

 車体の扱いは軽快かつ素直。スマートに決まるライディングポジションもあって操縦性には適度な落ち着きも感じられる。

 タイヤは硬めな感触で転がりが軽い感じ。コーナリングでは切り舵気味でバランスされ、コーナーを攻め込んでも安心感の高い乗り味だ。

 新たに登場したGSX-R125は、エキサイティングな雰囲気を堪能しつつ、モータースポーツへの夢を繋げるワンステップに相応しい1台と見た。