いよいよ開幕が迫った2018年のF1シーズンは、各所でさまざまな対決が勃発することが予想される。そのなかでも特に注目すべき対決を全5回に分けて紹介する。第3回はルノーのチームメイト対決。ニコ・ヒュルケンベルグとカルロス・サインツJr.だ。
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去年終盤までのニコ・ヒュルケンベルグのF1ライフは、しごくのんびりしたものだった。チームメイトのジョリオン・パーマーが、彼をしのぐ速さを披露することがなかったからである。
ところがシーズン終盤、パーマーに代わってカルロス・サインツJr.がやって来た。すると彼は初めて乗ったルノーで、終盤4戦中3戦で予選Q3に進出。対パーマーでは1秒1あったヒュルケンベルグとのタイム差も、コンマ2秒に縮めて見せた。
ヒュルケンベルグの才能、中でも予選一発の速さは誰もが認めるところである。しかし通算130戦以上出場して、優勝どころか表彰台にも一度も上がっていないことが象徴するように、なぜかレースでは結果を出せない。かなり手ごわいチームメイト相手に、今年こそ結果を出すことが求められている。
ただしレッドブルからルノーにレンタルされたサインツにしても、絶対にヒュルケンベルグに勝つ必要がある。もしルノーが今後目覚ましい戦闘力を発揮するなら、このまま残留してもいいとサインツ自身は思っている。
一方でもしダニエル・リカルドがレッドブルから離脱すれば、再びマックス・フェルスタッペンとコンビを組むチャンスも巡ってくる。しかしいずれの場合も、少なくともサインツが同じクルマを駆るヒュルケンベルグより速いことを証明するのが大前提だ。
3年前にトロロッソからF1デビューを果たしたサインツは、49ポイントを獲得したフェルスタッペンに対し、18ポイントと大差をつけられた(トラブルによるリタイアがフェルスタッペン2回に対し、サインツ8回と言う事実は考慮する必要があるが)。
一方で予選では9勝7敗と、フェルスタッペンをしのぐ速さを見せていた。
ここまでともに表彰台経験のない、23歳のサインツと30歳のヒュルケンベルグ。先にシャンペンシャワーを浴びるのは、はたしてどちらだろう。