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世界を知る男、小山知良が全日本ロード参戦。日本郵便ホンダ・ドリーム参戦発表

2018年03月21日 06:11  AUTOSPORT web

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2018年全日本ST600クラスへの参戦を表明した日本郵便ホンダ・ドリーム
3月20日、都内ホテルで日本郵便が全日本ロードレース選手権と鈴鹿8時間耐久ロードレースへの参戦、スポンサード発表会を行った。日本郵便がホンダのレーシングチームをスポンサードし、『日本郵便Honda Dream(ホンダ・ドリーム)』として全日本、鈴鹿8耐に参戦する。

 日本郵便は2016年、2017年の鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦したHonda 熊本レーシングに、熊本地震の復興を祈念して協賛している。2018年はさらにホンダとの関係を進化させ、全日本と鈴鹿8耐に参戦するホンダのレーシングチームに協賛を行うことにしたという。

 今回、日本郵便ホンダ・ドリームとして発表されたチームを率いるのはT.Pro.Innovationの手島雄介監督。T.Pro.Innovationは2017年、アジアロードレース選手権(ARRC)と全日本に参戦していた。

 2018年シーズン、日本郵便ホンダ・ドリームは全日本ではST600クラスに参戦。小山知良、國峰啄磨、亀井駿のライダーラインアップでタイトル獲得に挑む。さらにこの場で全日本ST600を戦うマシンカラーリングもお披露目された。

 日本郵便の代表取締役社長、横山邦男氏は今回の協賛について次のように説明する。

「バイクレースはマシンの性能だけではなく、ライダーの正確なマシン操作、迅速で正確なピットワークなど、チームワークが重要です。特に安全管理の分野における意識、技術においてレーサーに勝るものはありません」

 日本郵便が日々郵便配達事業で使用している二輪車は1971年から長きにわたり、ホンダが製造しているもの。業務上、多くの車両を使用する日本郵便は、「それゆえに大きな社会的責任を背負っている」という。

「日ごろから安全第一を経営の第一に掲げています。今回の全日本、鈴鹿8耐へ参戦するレーシングチームへの協賛というのは、日本郵便にとってさらなる社員の安全意識、整備技術の向上に資するものだと確信しています」

 また、このレーシングチームへの協賛を通じ、全国に“わくわく”を届ける『わくわくプロジェクト』も発表された。このプロジェクトは日本郵便最大の強みであるネットワークを活かし、モーターサイクルレースを最大限に盛り上げていくものだという。

 このプロジェクトを象徴とするレーシングチームとなる日本郵便ホンダ・ドリームの手島監督は2018年シーズンに向け、「この『わくわくプロジェクト』のシンボルとして戦っていくチームとして恥じないよう、チームを勝利に導き、全国にいる日本郵便の社員のみなさんからこの『わくわくプロジェクト』が多くの人々に届くようにしたいと思っています」と語る。

 また、久々の全日本参戦となる小山は「2018年の僕たちの最大の目標は、シリーズチャンピオンを獲得することです。レースを通じて、笑顔、勇気、感動を提供できるように全力を尽くしてレースを戦っていきたいと思います」と壇上で2018年シーズンへの意気込みを語った。

 日本郵便は10年ぶりにワークスとして全日本に復活したチームHRCの全日本、鈴鹿8耐参戦にもスポンサードするとのこと。今回は全日本のテストが行われている関係で姿を現すことはできなかったが、ビデオメッセージという形でチームHRCの宇川徹監督とライダーの高橋巧が登場した。

 さらに、ライダー紹介のなかでは手島監督が『第4のライダー』をサプライズ発表。日本郵便のキャラクター、ぽすくまがサプライズ登場して会場を沸かせるなど、終始盛況の発表会となった。

■600ccバイクを思いどおりに操るために3倍以上のトレーニングをした、と小山

 日本郵便ホンダ・ドリームから2018年シーズン、全日本ST600へ参戦する小山、國峰、亀井の3人のライダーたち。発表会のあと、壇上から降りた彼らに2018年シーズンに向けた意気込みを聞いた。

 小山は2018年、日本郵便ホンダ・ドリームから参戦する全日本ST600だけではなく、MuSaShi Boon Siew HondaからARRCのSS600クラスに参戦している。2017年はARRCのAP250という250ccのクラスで戦っており、600ccのレースは2016年ぶり。小柄な体格ゆえ、マシンの乗り換えには苦労したという。

「走り方がまったく別なんです。どう順応していくのか、それが非常に難しいですよね。大きいバイクは、250ccに比べて人間がやらなければいけないことが倍以上あります。バイクをコントロールしているという楽しさという点では、600ccはありますね」

「ただ、僕の体格に対して600ccはものすごく大きいです。このオフ、2、3か月くらいは2016年に比べて3倍以上のトレーニングをしてきたんですよ」

「170キロくらいある車重のバイクをなにも考えず扱えるようになるためには、普通に身長があるライダーの2、3倍体力がないと扱っていけないんです。そのハンデを埋めるために、しっかりウエイトトレーニングしてきましたよ」

「全日本は久々の参戦で、ST600の溝付きのブリヂストンタイヤも久しぶり。だけど、最初からぶっとばしていきたいですね。開幕戦もてぎは勝つこと前提ですが、勝ち方にもこだわってきたいです」

 2005年から2012年までの世界選手権参戦を経て、近年はARRCを主な戦場としてきた小山。自身について「ベテラン中のベテランだから」と表現し、はっきりとした口調でこう締めくくった。「力強い走りでぶっちぎりのレースができるようにがんばっていきますよ」

 その小山のチームメイトとなる國峰は2017年に続き全日本ST600への参戦2年目。2017年は全日本ST600でランキング2位を獲得している。

「2017年の開幕3戦は、その前のシーズンに参戦していたJ-GP2からのマシンの乗り替えに苦労しました。2018年は去年勉強したことをうまく活かして、確実にチャンピオンを獲りにいきたいです」

 2018年シーズン、全日本ST600ルーキーとして参戦する亀井は、2017年シーズンはMFJカップJP250の国際ライセンスのクラスに参戦した。

「2017年はこんな体制で乗れるような成績は出せておらず2018年は僕にもったいないくらいの体制で参戦させていただくので、結果で返せるようにがんばります。まだ600ccのバイクにはあまり乗れていないのですが、開幕戦は表彰台をねらいつつまずはしっかり完走したいですね」