トロロッソ・ホンダは、2018年F1プレシーズンテストを順調に終えて、いよいよ今週末、開幕戦オーストラリアGPを迎える。ホンダF1テクニカルディレクター田辺豊治氏は、万全の準備を整えて、新体制での初めてのグランプリに臨みたいと語った。
8日間のテスト期間、トロロッソ・ホンダは大きなトラブルに阻まれることはほとんどなく、合計822周、3826kmを走行した。これは全10チーム中、メルセデスとフェラーリに続く3番目に位置する距離だった。
タイムではピエール・ガスリーが1分18秒363の自己ベストタイムを記録、22人中、7位という好位置につけた。
ホンダは、マクラーレンと提携していた過去3年間にはテストで十分な走行ができなかったことを考えれば、今年のテストは非常に順調だったと振り返っている。1回目のテストには信頼性を重視した仕様のパワーユニット、2回目のテストではより実戦的な仕様で臨み、予定していたテストプログラムの大半を消化したということだ。
「現状で、PUに大きな問題はありません。目標であった信頼性の確保、多くの周回を走るというのは達成できました」と田辺テクニカルディレクターはホンダの公式サイトでのインタビューにおいて語っている。
「そしてこのテストでは、トロロッソとの連携、共同作業がとてもうまくいったことも、大きな成果だと思います」
トロロッソのテクニカルディレクターであるジェームズ・キーもポジティブな発言を行っている。
「いくつか車体側にトラブルが起こったが、テスト全般としてはとてもうまくいき、順調にテストプログラムをこなすことができた」
「こんなに多くを走れたのはチームの歴史上初めてだ。これはホンダの努力が実を結んだもので、彼らとはとてもうまくやれ、いい関係を作れたという点でもテストは大成功だった」
ドライバーたちもテストで好感触を得ており、ガスリーは「マシンは確実に進化している。自分でも少し驚くようなタイムが出せたし、開幕戦がとても楽しみだ」と語った。
田辺氏は、テストで順調に作業を進めることができたと認める一方で、真のパフォーマンスを確認できるのは開幕戦であるとして、戦う準備を完璧に整えてオーストラリアに臨むと述べた。
「テスト全般を通しての評価は、80点です。まだやれることがある、という思いがあり20点減点しました」と田辺氏。
「しかし、テストはテストです。タイムにしても、他車の状況などまだ分からないことが多い。皆が本気でくるのは開幕戦の予選です。そこで初めて力が示され、自分たちのポジションが分かるでしょう」
「我々はそれに備えて、十分な準備を進めるだけです。現場を預かる者としては、現場の運営やオペーレーションのつまらないミスで、ポジションを落としたりリタイアしたりということのないよう確実にやっていきたいですね」
「実際、蓋を開けてみなければわからないことは多いですが、やれるだけのことをやって、開幕戦には100点で臨めるよう努力します。そしてどのような結果が出るのか。楽しみでもあり、緊張もしています」