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NEWS、菅田将暉、SKY-HI……“目と耳で楽しませてくれる”アーティストによる新作

2018年03月20日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 映像と一緒に音楽を聴くという行為が完全に浸透した現在、優れたビジュアルや個性的なライブパフォーマンス、高い音楽性などを兼ね備えた、“目と耳で楽しませてくれる”アーティストの存在がさらにクローズアップされている。そこで今回はNEWS、菅田将暉、SKY-HIなどの新作を紹介したい。


(関連:菅田将暉は今、最も気になるシンガーだ 『トドメの接吻』主題歌からその魅力を紐解く


■NEWS『EPCOTIA』
 「KINGDOM」(『FIFAクラブワールドカップUAE2017』大会テーマソング)、「LPS」(フジテレビ系特番『NEWSICAL』スペシャルソング)などを含む9thアルバム『EPCOTIA』は“宇宙旅行”をテーマに掲げたコンセプチュアルな作品。m-floの☆Taku Takahashiが参加、近未来的なイメージをもたらすサウンドメイクによって、本作の世界観を的確に描き出している。現行のオルタナR&B、80’s風ロック、昭和歌謡など、幅広い音楽性を含んだ楽曲を歌いこなすメンバー4人のボーカルもさらに進化。個々の声質、音域を活かしながら、巧みな歌割とコーラスによって楽曲の世界を増幅させる彼らの表現力は、結成15年目(4人体制になってから7年)を迎え、新たな充実期に突入しているようだ。


■菅田将暉『PLAY』
 米津玄師とのコラボレーションによる「灰色と青(+菅田将暉)」、石崎ひゅーいの書き下ろしシングル「さよならエレジー」のほか、秋田ひろむ(amazarashi)、渡辺大知(黒猫チェルシー)、柴田隆浩(忘れらんねえよ)など、菅田将暉自身が尊敬するアーティストたちの手による楽曲が収められた1stフルアルバム『PLAY』。日本のロック、フォークを中心としたルーツミュージックに沿いながら、彼自身の生き方、価値観を直接的に反映させた歌からは、菅田将暉が音楽に向かう理由が明確に伝わってくる。もっとも印象的なのは、菅田が初めて作詞作曲を手がけたという「ゆらゆら」。自然体で新しい挑戦を続ける姿勢を描いたこの曲は、まさに彼そのものだと言っていい。


■BLUE ENCOUNT『VECTOR』
 “これぞブルエン!”と叫びたくなるエモ系ナンバー「灯せ」、J-POP的なメロディと失恋を描いた歌詞がひとつになった「グッバイ。」から、ブルエン風のシティポップ「coffee,sugar,instant love」まで。オーディエンスの期待に応えつつも“おまえらの想像の範囲には絶対に収まらない”という意欲が漲るBLUE ENCOUNTのニューアルバム『VECTOR』だ。圧巻はアルバムの最後に収録された「こたえ」の<僕が出したこの声は/すべての人に届かない/でもそれでもいいんだ/あなたが笑ってくれれば>という歌詞。自分たちの思いは完璧に届くことはない。それでもあなた(ファン)とともに進んでいきたいーーそれこそが、本作でブルエンが示したベクトルなのだと思う。


■SKY-HI『ベストカタリスト -Collaboration Best Album-』
 いまや日本のヒップホップにおける最重要アーティストの一人となったSKY-HIのコラボベスト『ベストカタリスト -Collaboration Best Album-』。KEN THE 390、加藤ミリヤ、小室哲哉、MIYAVI、Czecho No Republicなどコラボ相手の幅広さも凄いが、特筆すべきは新たに制作された3曲。ライブを支えるバンド・THE SUPER FLYERSとのセッションによる「One Night Boogie feat. THE SUPER FLYERS」、ヒップホップにも造詣が深い尾崎裕哉をフィーチャーした「ハリアッ! -Fast Fly Ver.- feat 尾崎裕哉 & KERENMI」、そしてもっとも強いインパクトを放っているのが「何様 feat.ぼくのりりっくのぼうよみ」。トラックメイクに参加している橘慶太、MVに出演している最上もがを含め、ジャンルの枠を超えたアーティストの共演が実現したこの曲は、シーンの壁を壊し続けるSKY-HIのスタンスに直結している。


■中田裕二『NOBODY KNOWS』
 歌謡、ソウルミュージック、リズムアンドブルース、AORなどを自在に取り込んだ音楽性、男の色気と危うさを生々しく映し出すボーカリゼーションによって、大人のリスナーの鑑賞に堪えるポップミュージックを体現し続ける中田裕二のソロ7作目のオリジナルアルバム『NOBODY KNOWS』。近未来的エレクトロと和を感じさせるメロディが溶け合う「ロータス」、ブルースロックとクラシカルなストリングスが絡み、ギラついたボーカルが響き渡る「BLACK SUGAR」、1970年代の良質な洋楽ポップスのエッセンスをたっぷり含んだ「傘はいらない」など、中田の音楽的探求心に貫かれた楽曲を堪能できる。トオミヨウ、千ヶ崎学(KIRINJI)、新井和輝(King Gnu)など豪華なゲスト陣の手腕にも注目してほしい。(森朋之)